飛び出す絵本「変身忍者 嵐」Part.3

★「変身忍者 嵐」(とびだすえほん)P.1、2の映像と本文

<本文>

 いが忍者 タツマキおやこを 血車党の 下忍たちは、ぐるっと とりかこんだ。

「フフ・・・・・。 ここを きさまたちの はかばに してやる。やれ、マシラ!!」

マシラは 空を きって、タツマキに とびかかった。

「あっ、 おとうさん あぶない!!」

ツムジと カスミの こえに、タツマキは さっと たいを かわした。なおも マシラが、タツマキへ きりかかろうとしたとき、ひづめの 音が、とおくから ちかづいてきた。

「へんしん忍者 あらし けんざん!!」

 あらしは、日本せいふくを たくらむ、血車党を、たおすために かけつけた。

がんばれ あらし!! 

マシラをたおせ!!

「変身忍者 嵐」(とびだすえほん)P.1、2の解説

 本を広げると、馬に乗って颯爽と変身忍者嵐が現れる。その周りには、血車党の連中が嵐を取り囲んでいる。岩の上には、つえを持って手を広げて構えて骸骨丸がいる。その前では、マシラがタツマキ親子に飛びかかろうとしている。タツマキ親子は、マシラの攻撃に備え身構えている。

<登場ヒーロー、人物>

  • 変身忍者 嵐
  • タツマキ
  • ツムジ(タツマキの息子)
  • カスミ(タツマキの娘)

<血車党>

  • 骸骨丸
  • マシラ
  • 血車党の下忍

<登場場所>

  ・草原の岩場

<登場するしかけ>

  ・タツマキの右にある矢印を左右に動かす刀を構えたタツマキがマシラの攻撃に備えている様子が見て取れる。

 

飛び出す絵本「変身忍者 嵐」Part.2

★「「変身忍者 嵐」の表紙と裏表紙

<表紙>

<裏表紙>

★『「変身忍者 嵐」ばんそうのとびだすえほん』の基本情報

  • 発行年月日/昭和47(1972)年6月24日
  • 四版年月日/昭和47(1972)年8月20日
  • 発行所/株式会社 万創
  • 編集人/辻 勝三郎
  • 発行人/山田 高旦
  • 印刷/凸版印刷株式会社
  • 本のサイズ/B5

<お断り>

 文中に差別的な言葉が使われていますが、原文を忠実に表すために使用しています。差別的な意図は一切ありませんので、ご了解願います。

 

飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.9

★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」の面白情報箱②

★「ひみつのアッコちゃん」の原作まんが

  • 初登場の原作

  ・1962年6月~1965年9月 「りぼん」(集英社の少女漫画誌)に掲載

  • アニメ放送に合わせて再執筆

  ・1988年10月~1989年9月 「なかよし」(講談社の少女漫画誌)に掲載

★「ひみつのアッコちゃん」の原作者

 「ひみつのアッコちゃん」の原作者は、赤塚不二夫。本名は赤塚 藤雄。

漫画家を志し上京。東京の化学工場で行員などをしながら漫画修業にはげみ、つげ義春の推薦で曙出版から貸本漫画「嵐をこえて」で1956年にデビュー

その後、石森章太郎と仲良くなり、トキワ荘に入居石森の漫画製作を手伝いながら自分の作品も描いていたが、1962年に「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」の大ヒットで一躍人気作家となる。1967年に代表作である「天才バカボン」の爆発的ヒットと、その後のもーれつア太郎」「レッツラゴン」「ギャグゲリラ」といった一連のヒットにより「ギャグ漫画の王様」と謳われ、戦後ギャグ漫画史の礎を築いた。

 ひみつのアッコちゃん」は、1962年より集英社の「りぼん」に連載された漫画が原作である。漫画が連載されているうちに、キャラクターや内容が変更されることは、よくあることで当初の漫画のタイトルは「秘密のアッコちゃん」と漢字で表現されていた。  

また、変身で使う鏡は、当初コンパクトではなく等身大の大きな鏡だった。その鏡が割れたので、コンパクトを使うことになったのだ。

 アニメによる放映が始まる前の1968年に「りぼん」で再連載が開始されたときに、鏡のほかに「大将」「少将」「ドラ」などの新しいキャラクターが追加された。

 この作品では、アニメが放映されている最中の1970年に発行されているので、大将、少将、ドラも登場している。

2008年〈平成20年〉に逝去

赤塚不二夫の葬儀ではタモリが弔辞を読んだタモリと赤塚との関係は、福岡に住んでいたタモリが赤塚らに面白い男がいるということで見いだされて上京赤塚のマンションで居候生活をしていた。

タモリは本名の“森田一義”として弔辞を読んだが、この時手にしていた巻紙が白紙で何も書かれていなかったタモリが即興で弔辞を述べたが、その内容のすばらしさが話題になった。弔辞の中で「私もあなたの数多くの作品の一つです」とタモリは語り掛けた

 「ばんそうのとびだすえほん」シリーズの中には、「天才バカボン」始め赤塚不二夫作品がいくつかある。

★「ひみつのアッコちゃん」の本名は?

 アッコちゃんは、本作の主人公で本名は、「かがみ あつこ」漢字であらわすときには、作品によってそれぞれ表現に違いがある。

原作の漫画では、「鏡 厚子」だったが、アニメの第1作では、「加賀美あつ子」に変わった。なぜ変ったのかの意図は、不明である。第2作では、「加賀見アツコ」になった。さらに第3作では、「加賀美あつこ」へとまたまた変更になっている。

どちらにしても声に出して名前を呼ぶときには「かがみあつこ」で変りない。

アッコちゃんは小学5年生。ふわふわのお下げ髪に桃色のリボンをつけているのが特徴(ちなみにお下げ髪を解けば、腰まであるストレートヘアになる)。おっちょこちょい(母譲り)だが、明るく天真爛漫で友だち思いの少女

★アッコちゃんは、コンパクト(鏡)を誰にもらったのか

 鏡の国の「鏡の精」から変身できるコンパクト(鏡)をもらったそのコンパクトにむかって「テクマコマヤコン、テクマクマヤコン○○になぁーれ!」と唱えると何にでも姿を変えて人助けをする。

 変身後「ラミパス、ラミパス、ルルル・・・」と唱えると元に戻ることができる。「ラミパス」とは、スーパーミラーを逆から読んだ呪文だ。

★この本に登場する人物

  • チカ(チカ子)

アッコちゃんのクラスメイトおかっぱ頭と眼鏡と背が低いのが特徴。口が軽く、うわさ話が大好きで、情報通。それが騒動の元になってしまう。ただし、ワイロに弱く、大事な秘密もポロリと漏らしてしまう。

  • カン吉

アッコちゃんの親友、モコちゃんの弟勝気な姉とは異なり、気が弱い勉強と読書が苦手いたずら大好きの元気キャラゆえ、姉のモコちゃんに怒られてばかりアッコちゃんも自分の弟のように可愛がっている。

  • 大将

モコちゃんのライバルガキ大将キャラでいつも2人の子分を連れてアッコちゃんをいじめているが、これは好意の裏返しで本当は男気溢れる人情家で、弟にも優しいモコちゃんとはよく衝突しているが、大抵はモコちゃんに負けている。

カン吉の親友。いつも粋な着物姿のガンモは、トウフ屋の息子この若さで「…でゲス」が口癖で、どこか横丁の御隠居を思わせる老成した男の子。趣味は落語と三味線。

  • 少将

大将を兄に持ち、飼い猫ドラにまたがって町を闊歩するナマイキな赤ちゃん。まだほんの子どものくせに、ガキ大将の兄の権力の傘の元、いばってばかり

大将と少将は1969年のアニメ化の際に考案されたキャラクターであり、その後、原作にも逆輸入の形で登場している。

  • モコ(本名:浪花元子。ただし、作品によっては「伊奈」姓になっているものもある)

アッコちゃんのクラスメイトで幼馴染の大親お下げ髪で元気でおてんば明朗で気がいいが、勝気で男勝りケンカをしてもすぐ仲直り。また、女の子にしてはとんでもない大食いである。弱虫でズルをする弟のカン吉を時々叱り飛ばし、ケンカの強さではガキ大将の大将も敵わない

  • ドラ(猫)

大将が飼っているトラネコで威厳がある茶色の体色と黄土色の縞模様で立派なキバと怖い顔が特徴シッポナに恋している。まだ歩くこともできない大将の弟の少将を運ぶのが仕事野良ネコたちのボスでもあり、ギョロやゴマに似た子分もいる。

  • シュポナ(猫)

アッコちゃんが飼っている白い美人ネコ。実は、アッコちゃんより年上で、アッコちゃんの悩みを静かに聞いてくれる相談相手

  • アッコちゃんのお母さん

名前は、加賀美恭子美人で優しいアッコちゃん自慢の母料理上手な上に裁縫や掃除などもテキパキ完璧にこなす。いつもアッコに留守番を頼み出かけていくが、大抵アッコは家を空けて遊んでいるので、帰ると決まって説教することになる。冗談が好きなお茶目な一面も持っている。実はアッコ以上のおっちょこちょいで娘はそれを受け継いでいる。

 

飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.8

★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」の面白情報箱①

<ストーリー>

 主人公は、アッコちゃんという少女。本名は加賀美あつ子鏡の国から来たおじさんから、何でも望むものに変身できる魔法の鏡をもらい、その鏡を使って、思い通りに変身して、色々な事件を解決していく物語。途中で鏡を壊してしまうが鏡の妖精からコンパクトをもらい、コンパクトで変身できるようになる。あこがれの職業への変身願望の強い少女たちの支持を受けてアニメでも登場

 原作の漫画とアニメでは、微妙にストーリーに違いはあるが、コンパクトを使って問題を解決していく内容には、違いはない

★テレビ番組の放映

ひみつのアッコちゃん」全94話

放映テレビ局  NET(テレビ朝日)系

放映時期    1969年1月6日~1070年10月26日

放映時間    毎週月曜日 午後7時~7時30分

★テレビ版「ひみつのアッコちゃん」の主題歌

作詩/東京ムービー

作曲/渡辺岳夫

歌/大杉久美子

 

そいつの前では女の子

つーんとおすまし それはなに

それは鏡 鏡の中から ツンツンツ

シンデレラ姫が あらわれた ツンツンツン

それはだあれ

それはひみつ ひみつひみつ

ひみつのアッコちゃん

 

朝から晩までまねばかり

ひとまねじょうず それはなに

それは鏡 鏡の中から エッヘヘ

いたずらぼうずがとびだした エッヘヘ

それはだあれ

それはひみつ ひみつひみつ

ひみつのアッコちゃん

 

人でも犬でもおばけでも

すいこむ怪物それはなに

それは鏡 鏡の中から ブーブーブー

リボンをつけたブタが出た ブーブーブー

それはだあれ

それはひみつ ひみつひみつ

ひみつのアッコちゃん

★テレビ版「ひみつのアッコちゃん」の

エンディングテーマ「すきすきソング」

詩/山元護久井上ひさし

作曲/小林亞聖

歌/水森亜土

 

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

アッコちゃん アッコちゃん

すきすき (ハ ヨイト)

 

アッコちゃん 来るかと

団地のはずれまで出てみたが

(ハ ドシタ アッコちゃん)

アッコちゃんは来もせず

用もないのに納豆売りが

(ハ チョイト アッコちゃん)

ハーハー ナットオー!!

(ハー ヤッタわね)

 

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

アッコちゃん アッコちゃん

すきすき (ハ ヨイト)

 

アッコちゃん 来るかと

校舎のはずれまで出てみたが

(ハ ドシタ アッコちゃん)

アッコちゃんは 来もせず

用もないのに校長先生が

(ハ チョイト アッコちゃん)

ハーハー 勉強やれ!!

(ハー ヤッタわね)

 

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

すき! すき! すき! すき!

アッコちゃん アッコちゃん

すきすき (ハ ヨイト)

 

アッコちゃん 来るかと

月夜のまよなかに出てみたが

(ハ ドシタ アッコちゃん)

アッコちゃんは来もせず

用もないのに 大どろぼうが

(ハ チョイト アッコちゃん)

ハーハー おじゃまします!!

(ハ ヨコイ アッコちゃん)

 

飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.7

★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.9、10の映像と本文

<本文>

「およめさんごっこ しようよ。およめさんは、アッコちゃんでさ。」

カン吉が いいました。

「へへ・・・。それで おむこさんは ぼ・・・。」

「もちろん おれさまだな。」

大将がいいました。

「そ、そんなの ずるいよ。」

カン吉と 大将が、けんかを はじめました。この さわぎで おかあさんが

おころうと、とんで きましたが、アッコちゃんの 花よめ すがたの、あまりの 

うつくしさに びっくり。おかあさんは、おこるのも わすれて しまいました。

ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.9、10の解説

 本を広げるとアッコちゃんの家の中。中央に大きなドレッサー。ドレッサーの上には、色々な化粧品が並んでいる。右手には、花嫁姿のアッコちゃんがいる。チカちゃんが手鏡でアッコちゃんの花嫁姿を映して見せているようだ。その前には、お母さんをはじめいつもの面々がそろっている。お母さんは、アッコちゃんの花嫁姿の美しさに驚いている

<登場人物>

  • アッコちゃん
  • カン吉
  • 大将
  • チカ
  • 少将
  • カン吉
  • ガンモ
  • モコ
  • アッコちゃんのお母さん

<登場場所>

  • アッコちゃんの家の中

<登場するしかけ>

  ・左手のお母さんの後ろの矢印を左右に動かすお母さんが驚いている様子が表現される。

 

飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.6

★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.7、8の映像と本文

<本文>

 ここは、“おゆうぎの国”ゆうえんちです。

「あれえー、みんな どうしたんだい。」

あとから やってきた、ガンモは びっくり。じつは アッコちゃんが、まほうの かがみで、みんなの すがたを、かえてあげたのです。

「えへへ・・・、ガンモ どうだい。ぼくの 王子さまは・・・。」

「ふん カン吉め、いいかっこ しちゃってさ。おもしろく ないなあ。」

大将は、ぶつぶつ もんくを いっています。

「大将も なかなか すてきよ。」

 おひめさまに なった アッコちゃんは、大将を ほめて あげました。

 ほんとうにアッコちゃんは、やさしい おんなの子ですね。

ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.7、8の解説

 本を広げるとヨーロッパ風の大きなお城が現れてくる。その前には、西洋の貴族のファッションに着飾った面々がそろっている。なぜか、ガンモだけがいつもの和服姿だ。

 庭の右手にある“テクマクマヤコン”と書かれている花の下の矢印を引っ張るとアッコちゃんがお姫様のドレス姿に変わる。

<登場人物>

  • アッコちゃん
  • ガンモ
  • カン吉
  • 大将
  • チカ
  • ドラ(猫)

<登場場所>

  • おとぎの国の遊園地

<登場するしかけ>

  •  庭の右手にある“テクマクマヤコン”と書かれている花の下の矢印を引っ張るとアッコちゃんがお姫様のドレス姿に変わる。

 

飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.5

★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.5、6の映像と本文

<本文>

 「しゅっぱーつ。」

ボーッ。きてきが なって、アッコちゃんの せんちょうさんが、手を あげると ふねは しぶきを あげて、はとばを はなれました。

「アッコちゃんの せんちょうさん スタイル いかすなあ。」

「おれの スタイルだって、かっこいいぜ。」

大将も とくいそうです。

きょうは、みんなで ふねに のって、みなとの けんがくですが、みんな 外国へ 

いくような きぶんです。

ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」(とびだすえほん)P.5、6の解説

 本を広げるとTOKYOという船名の大きな船が現れる。煙突を持つ本格的な船が波しぶきをあげて進んでいる。船の後には、出港した街並みが見えている。船には、船長服を着たアッコちゃんを先頭にいつものメンバーが船に乗り込んでいるようだ。

<登場人物・動物>

  • アッコちゃん
  • 大将
  • チカ
  • カン吉
  • ガンモ
  • 少将
  • シュポナ(猫)

<登場場所>

  • 大海原をかけていく船

<登場するしかけ>

  ・なし