飛び出す絵本「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」Part.9
★「ひみつのアッコちゃん魔法のファッションショー」の面白情報箱②
★「ひみつのアッコちゃん」の原作まんが
- 初登場の原作
・1962年6月~1965年9月 「りぼん」(集英社の少女漫画誌)に掲載
- アニメ放送に合わせて再執筆
・1988年10月~1989年9月 「なかよし」(講談社の少女漫画誌)に掲載
★「ひみつのアッコちゃん」の原作者
「ひみつのアッコちゃん」の原作者は、赤塚不二夫。本名は赤塚 藤雄。
漫画家を志し上京。東京の化学工場で行員などをしながら漫画修業にはげみ、つげ義春の推薦で曙出版から貸本漫画「嵐をこえて」で1956年にデビュー。
その後、石森章太郎と仲良くなり、トキワ荘に入居。石森の漫画製作を手伝いながら自分の作品も描いていたが、1962年に「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」の大ヒットで一躍人気作家となる。1967年に代表作である「天才バカボン」の爆発的ヒットと、その後の「もーれつア太郎」「レッツラゴン」「ギャグゲリラ」といった一連のヒットにより「ギャグ漫画の王様」と謳われ、戦後ギャグ漫画史の礎を築いた。
「ひみつのアッコちゃん」は、1962年より集英社の「りぼん」に連載された漫画が原作である。漫画が連載されているうちに、キャラクターや内容が変更されることは、よくあることで当初の漫画のタイトルは「秘密のアッコちゃん」と漢字で表現されていた。
また、変身で使う鏡は、当初コンパクトではなく等身大の大きな鏡だった。その鏡が割れたので、コンパクトを使うことになったのだ。
アニメによる放映が始まる前の1968年に「りぼん」で再連載が開始されたときに、鏡のほかに「大将」「少将」「ドラ」などの新しいキャラクターが追加された。
この作品では、アニメが放映されている最中の1970年に発行されているので、大将、少将、ドラも登場している。
2008年〈平成20年〉に逝去。
赤塚不二夫の葬儀ではタモリが弔辞を読んだ。タモリと赤塚との関係は、福岡に住んでいたタモリが赤塚らに面白い男がいるということで見いだされて上京。赤塚のマンションで居候生活をしていた。
タモリは本名の“森田一義”として弔辞を読んだが、この時手にしていた巻紙が白紙で何も書かれていなかった。タモリが即興で弔辞を述べたが、その内容のすばらしさが話題になった。弔辞の中で「私もあなたの数多くの作品の一つです」とタモリは語り掛けた。
「ばんそうのとびだすえほん」シリーズの中には、「天才バカボン」始め赤塚不二夫作品がいくつかある。
★「ひみつのアッコちゃん」の本名は?
アッコちゃんは、本作の主人公で本名は、「かがみ あつこ」。漢字であらわすときには、作品によってそれぞれ表現に違いがある。
原作の漫画では、「鏡 厚子」だったが、アニメの第1作では、「加賀美あつ子」に変わった。なぜ変ったのかの意図は、不明である。第2作では、「加賀見アツコ」になった。さらに第3作では、「加賀美あつこ」へとまたまた変更になっている。
どちらにしても声に出して名前を呼ぶときには「かがみあつこ」で変りない。
アッコちゃんは小学5年生。ふわふわのお下げ髪に桃色のリボンをつけているのが特徴(ちなみにお下げ髪を解けば、腰まであるストレートヘアになる)。おっちょこちょい(母譲り)だが、明るく天真爛漫で友だち思いの少女。
★アッコちゃんは、コンパクト(鏡)を誰にもらったのか
鏡の国の「鏡の精」から変身できるコンパクト(鏡)をもらった。そのコンパクトにむかって「テクマコマヤコン、テクマクマヤコン○○になぁーれ!」と唱えると何にでも姿を変えて人助けをする。
変身後「ラミパス、ラミパス、ルルル・・・」と唱えると元に戻ることができる。「ラミパス」とは、スーパーミラーを逆から読んだ呪文だ。
★この本に登場する人物
- チカ(チカ子)
アッコちゃんのクラスメイト。おかっぱ頭と眼鏡と背が低いのが特徴。口が軽く、うわさ話が大好きで、情報通。それが騒動の元になってしまう。ただし、ワイロに弱く、大事な秘密もポロリと漏らしてしまう。
- カン吉
アッコちゃんの親友、モコちゃんの弟。勝気な姉とは異なり、気が弱い。勉強と読書が苦手。いたずら大好きの元気キャラゆえ、姉のモコちゃんに怒られてばかり。アッコちゃんも自分の弟のように可愛がっている。
- 大将
モコちゃんのライバル。ガキ大将キャラでいつも2人の子分を連れてアッコちゃんをいじめているが、これは好意の裏返しで本当は男気溢れる人情家で、弟にも優しい。モコちゃんとはよく衝突しているが、大抵はモコちゃんに負けている。
カン吉の親友。いつも粋な着物姿のガンモは、トウフ屋の息子。この若さで「…でゲス」が口癖で、どこか横丁の御隠居を思わせる老成した男の子。趣味は落語と三味線。
- 少将
大将を兄に持ち、飼い猫ドラにまたがって町を闊歩するナマイキな赤ちゃん。まだほんの子どものくせに、ガキ大将の兄の権力の傘の元、いばってばかり。
大将と少将は1969年のアニメ化の際に考案されたキャラクターであり、その後、原作にも逆輸入の形で登場している。
- モコ(本名:浪花元子。ただし、作品によっては「伊奈」姓になっているものもある)
アッコちゃんのクラスメイトで幼馴染の大親友。お下げ髪で元気でおてんば。明朗で気がいいが、勝気で男勝り。ケンカをしてもすぐ仲直り。また、女の子にしてはとんでもない大食いである。弱虫でズルをする弟のカン吉を時々叱り飛ばし、ケンカの強さではガキ大将の大将も敵わない。
- ドラ(猫)
大将が飼っているトラネコで威厳がある。茶色の体色と黄土色の縞模様で立派なキバと怖い顔が特徴。シッポナに恋している。まだ歩くこともできない大将の弟の少将を運ぶのが仕事。野良ネコたちのボスでもあり、ギョロやゴマに似た子分もいる。
- シュポナ(猫)
アッコちゃんが飼っている白い美人ネコ。実は、アッコちゃんより年上で、アッコちゃんの悩みを静かに聞いてくれる相談相手。
- アッコちゃんのお母さん
名前は、加賀美恭子。美人で優しいアッコちゃん自慢の母。料理上手な上に裁縫や掃除などもテキパキ完璧にこなす。いつもアッコに留守番を頼み出かけていくが、大抵アッコは家を空けて遊んでいるので、帰ると決まって説教することになる。冗談が好きなお茶目な一面も持っている。実はアッコ以上のおっちょこちょいで娘はそれを受け継いでいる。