飛び出す絵本「魔法使いチャッピーびっくり大旅行」Part.9
★「魔法使いチャッピーびっくり大旅行」の面白情報箱②
★「魔法使いチャッピー」には、マンガの原作がいない?
「魔法使いサリー」からはじまった東京動画のアニメ魔女っ子シリーズの第5弾で登場したのが「魔法使いチャッピー」。1972年4月~12月の9ヶ月間、NET(現在のテレビ朝日)系列で放映された。全部で39話。
ほかの魔女っ子は、すべて原作者がいて、雑誌で漫画として連載されている。たとえば、初代魔女っ子の「魔法使いサリー」は、横山光輝氏が原作者で月刊誌「りぼん」で連載された。原作者の横山光輝氏は、「鉄人28号」や「三国志」など、男の子向けの漫画作品が多い作家。その作家が書いた女の子向けのめずらしい作品が「魔法使いサリー」だった。
二代目の「ひみつのアッコちゃん」は、ご存知のとおり赤塚不二夫氏作品だ。そして、石森章太郎氏が担当した作品は、「さるとびエッちゃん」。
ところが「魔法使いチャッピー」は、雑誌に掲載された作品ではないので、原作者がいない。「チャッピー」は、テレビ放映用に東京動画が作ったキャラクターなのだ。当時としては、珍しいテレビアニメヒロインなのだ。
★「魔法使いチャッピー」は、なぜ人間の世界に出かけたの?
チャッピーの住む魔法の国は、舞踏会のドレスも三百年前と同じものを着る伝統と格式に厳しい国だ。チャッピーは、人間の世界では、子供たちにとって楽しいことばかりでパパやママも優しい人ばかりだと想像していた。宮殿の舞踏会から抜け出してジュンといっしょにオババのほうきにまたがり、楽しそうな人間の世界に向かうことにしたのだ。
★チャッピーの本名は?
魔法の国からやってきた魔女っ子なので、当然「チャッピー」は愛称なのだ。チャッピーの本名は、「チャッピー・ハンスト・シャルル・グリム・アンド・イソップ・エトセトラ」という長い名前が正式名。
チャッピーには、ジュンという弟がいるが、本名はなんというのか興味がわいてくる。
★チャッピーの呪文と魔法の小道具は?
呪文で有名なのは、「ひみつのアッコちゃん」の「テクマコ マヤコン テクマク マヤコン ○○ニナアーレ」だ。チャッピーの呪文は、「アブラ マハリク マハリタ カブラ」。小道具のバトンを持って唱えるのだ。
★登場する人物
- チャッピー
この作品のヒロイン。魔法の国から人間の世界にやってきた女の子。魔法の世界での毎日に飽きて、人間の世界へ行くことを憧れている。パパとママの言うことを聞かずに祖父の宝物のバトンを持ち出して、弟のジュンと人間の世界にやってきた。魔法の国と違って、色々な事件が発生している。元気にバトンを振り回すことで魔法を使い事件を解決していく。
- ドンちゃんは、主役を食うわき役
主役のチャッピーより、脇役のドンちゃんのほうが記憶に残っているという視聴者が多くいるようだ。ちなみにドンちゃんは、パンダといわれているが、色や尻尾のかたちから、レスターパンダが正解。
人間の言葉が話せ、魔法の力で動く自動車を持っている。運転の腕前はA級ライセンスで、レースに出場するエピソードがある。魔法は苦手だが、石頭なのでヘッドバットで魔物を退けたこともある。
放映された1972年は、日中国交で上野動物園にパンダがきた年。人気者のレスターパンダがキャラクターに使われたのではないかと思われる。さらに、エンディングテーマは、「ドンちゃんのうた」という曲で、ドンちゃん役の声優をつとめた富田耕生氏が歌っていることもドンちゃんの印象が強く残っている理由かもしれない。
- ジュン
チャピーの弟。得意な魔法は、動物に変身すること。
- パパ
チャッピーの父親。魔法の国では貴族である。
- ママ
チャッピーの母親。チャッピー一家ではパパよりも権力を持つらしい。
- オジイ
チャッピーの祖父。孫のチャッピーにはかなり甘い。
- オババ
魔法の国の最長老の魔女。チャッピーの親族ではない。時々、人間界に来て活躍している。
- 一平
本名は、荒井一平。みち子の上の弟。わんぱくでいたずら好きな男の子。弟の二平と共にジュンと張り合っている。
- 二平
本名は、荒井二平。みち子の下の弟。おっとりとした男の子。兄の一平と共にジュンと張り合っている。
- ミチ子
本名は、荒井ミチ子。チャッピーのクラスメイト。勝ち気で男勝りな女の子。一平、二平のお姉さん。
- ドンちゃん
チャッピーのペットのレスターパンダ。人間の言葉がしゃべれ、魔法の力で動く自動車を持っている。