飛び出す絵本「怪物くん」Part.4
★「怪物くん」(とびだすえほん)P.3、4の映像と本文
<本文>
なにがでるのでしょう
こんやは、とてもさびしい、いやな晩です。そとは、雨まじりの風がふき、
ガタガタゴトゴト窓がなっています。
「いやな晩ねぇ。はやくごはんをたべて、やすみましょうよ。」
おねえさんと、ヒロシくんは、いそいで、ごはんをたべていました。
ジャジャジャ ジャーン
そのとき、部屋の中のっどこからか、ヒロシくんのなまえをよぶ、きみのわるい声が、きこえてくるではありませんか。
「ヒロシくん」
「ひろしくーん」
「ひろしくーん・・・・・」
高い声、ひくい声・・・・・・いろいろな声がします。
おお、こわい、いったい、どうしたというのでしょう。
おねえさんとヒロシくんは、きゅうにおそろしくなり、ガタガタ
ブルブルふるえてしまいました。
さあたいへん、部屋の中にだれがかくれているのでしょう。いったい、
なにがでてくるのでしょう。
怪物くんの八つのひみつ
頭 あたまにくると五つかぞえてから大噴火をしてあばれる
か お 思ったとおりにかおをかえられる
か ら だ 念力によって物をうごかしたり、からだをかえられる
手 足 じゆうじざいにのびる手、足
胃ぶくろ ふうせんのようにまるくなんでもたべられる。
すきなものはあんみつ。
ほ ね じゆうにのびたり、ちじんだりするので、おれることはない。
こわいもの カミナリとおや
お う ち いつも冷蔵庫から出はいりして地下におうちがある
★「怪物くん」(とびだすえほん)P.3、4の解説
本を開けると登場するのは、ヒロシくんの家の中だ。ヒロシくんとお姉さんが晩ご飯を食べていると気味の悪い声が聞こえてきた。お姉さんは驚いて茶碗をひっくり返した。落とした茶碗が割れて、ご飯が床に散らかってしまった。今ではすっかり見かけなくなったちゃぶ台が時代を感じさせる。さらに、ちゃぶ台の上のおかずが寂しい。たまご焼き?ほうれん草のおひたし?紅ショウガ?トマト?にキャベツ?にピーマン?
1970年代では、この程度のおかずが一般的な食卓だったのかもしれない。冷蔵庫のデザインもレトロな雰囲気を出している。
<登場怪物>
・怪物くん
・ドラキュラ
・オオカミ男
・フランケン
・怪子ちゃん
<登場人物>
・ヒロシくん
・ヒロシくんのお姉さん
<登場場所>
・ヒロシくんの家
<登場するしかけ>
・壁の左側にいるネズミを左右に引っ張ると冷蔵庫の中から怪物くんが飛び出してくる。
・左側の洋服ダンスの扉を開けると中にオオカミ男が隠れている。
・食器棚の中には、ドラキュラが隠れコップに入った血をおいしそうに吸っている。
・壁の右側の矢印を引っ張るとガラスのドアが開きフランケンが窮屈そうに隠れている。
さらに、もう一人隠れている。
・壁に飾られている人物画の額縁の上にある矢印を上下に動かすと額縁の中からら怪子ちゃんが顔を出す。