飛び出す絵本「ぺリーヌ物語」ばんそうのとびだすえほん」Part.9

★「ペリーヌ物語」の面白情報箱②

★「ペリーヌ物語」の原作は何?

ペリーヌ物語」の原作は、1891年にフランス人の作家エクトール・マロの発刊した作品「アン・ファミーユ」日本では、1941年に岩波文庫から邦題「家なき娘」として出版された。

アニメと原作は、基本的なストーリーは同じ流れとなっている。ただし、原作では、パリに入るところから始まっているが、アニメでは、父親のエドモンが亡くなったところから番組がスタートしている。テレビ番組では、原作にエドモンが亡くなるまでの第1話~16話が加えられてことで作品全体に深みを与えている。

★この本に登場する人物&動物

●ペリーヌ

この作品の主人公フルネームは、ペリーヌ・パンダボアヌで物語の始まった時の年齢は13歳恵まれない境遇にもめげずに明るく聡明な少女製糸工場を経営している祖父ビルフランがいるフランスを目指して、一家で旅に出る旅の途中で父親のエドモンドを亡くす不幸にも負けずに、母親のマリと父親の跡を継いで写真家として生計を立てながら旅を続けていった

馬車を引くロバのパリカールと飼い犬のバロンも伴ってフランスを目指すが、長旅で母親のマリが体調を崩し病死してしまう。孤児になったペリーヌはフランスを目指し、ついにフランスに到着するが、父親と祖父の折り合いが悪かったので、身分を明かさずに祖父の経営する会社に勤めた工場での最初の仕事は、トロッコ押しだったが、英会話の能力を買われ、通訳の仕事に就き、さらに聡明で明るい才覚を買われ祖父の秘書となった。利発で優しい人柄で周りを幸せな気持ちにしていった

●ペリーヌのお母さん・マリ(本作品ではマリー)

ペリーヌの母親フルネームは、マリ・パンダボアヌインド人とイギリス人のハーフで聡明で優しく美しい女性写真家の夫エドモンの助手をしていた経験を活かし、夫の亡くなった後、女性写真家としてインドの衣装サリーをまとって人気者になり旅の生計を立てていった。しかし、長旅の疲れで病に倒れ、帰らぬ人になってしまった。ペリーヌに送った最後の言葉は、「人から愛されるには、まず、人を愛しなさい」

●ドランツ

妻を亡くし子供3人と暮らしていたペリーヌたちがストーカ村に向かう途中に馬車がぬかるみにはまって動けなくなった際に脱出を手助けし、温かいスープやミルクをペルーヌたちに分け与えてくれた優しい人

●マルセル

ペリーヌたちがフランスに向かう途中、一緒に旅することになった男の子両親が学校へ通わせるために叔母に預けたが、学校に通うのが嫌で、両親のいるサーカスを追いかけ、ペリーヌたちと一緒に旅を続けた。この作品の中でも、逆立ちを披露している。

●バロン(犬)

ペリーヌが飼っている犬変わった顔の犬と言われてしまう。気まぐれであまり頼りにならない食べ物に目がなくパンやソーセージを盗み出す悪さをすることもあるが、母親を亡くしたペルーヌの心の支えとなっている。

●パリカール(馬)

エリーヌたちの乗っている馬車を牽いているロバ葡萄酒が好きで酔っぱらい。母親のマリの薬を買うために手放したこともある。

★この本に登場しないが重要な人物

エドモン

ペリーヌの父インドでマリと結婚し、そこでペリーヌが生まれるインドで写真屋の仕事がうまくいかなかったため、家族でエドモンの故郷であるフランスへ向かう。しかし、旅の途中で病に倒れボスニアの小さな村で命を落とした若いときに借金を重ねたため、祖父のビルフランとの折り合いが悪くなっていた

●ビルフラン

ペリーヌの祖父フランスで大規模な製糸工場を一代で築き上げ、立派な屋敷に住んでいる元来は心優しい人物なのだが、工場の経営に執心するあまり、周囲に気をかけなくなり、他人を一切信用しない息子エドモンが自分の意に反してインドでマリと結婚したため一度は親子の縁を切るが、自分の代わりに工場を任せられるのはエドモンしかいないと行方を探す

一方、秘書として雇ったペリーヌから、旅の話などを聞いて強く心を打たれ、誠実で裏切らない彼女に次第に信頼を寄せていき、孫とは気づかないまま自分の屋敷に住まわせる弁護士への調査結果で息子エドモンの死を知り、失意のどん底に突き落とされ病の床に就いてしまうが、ペリーヌの看病で少しずつ回復する。ペリーヌが自分のことを心から心配し、愛してくれていると感じはじめたペリーヌの顔がエドモンの子供のころとよく似ているので、もしかしたら孫ではないかと思い調査に向かわせるペリーヌのやさしさに触れているうちに、自身も他人を思いやる気持ちを取り戻していった