飛び出す絵本「ムーミン」Part.9

★「ムーミン」の面白情報箱②

★テレビ放映「ムーミン」には、原作小説がある?

テレビアニメ「ムーミン」は、フィンランド出身の画家であり小説家トーベん・ヤンソンによる小説「ムーミン」を原作としている。北欧神話に由来する「トロール」」をモデルにした物語がモチーフとしている。トロール」とは、スウェーデン語で「魅力する」という意味の妖精のこと。彼女と末弟ラルス・ヤンソンの共著による漫画「ムーミン・コミックス」も加味し、テレビアニメとして制作された。

作者のトーベ・ヤンソンは画家でもあったため、小説の挿絵も自分で描いていたムーミンの原型となるキャラクターも、小説執筆を始める前にムーミンのキャラクターの原型を描き留めていた

小説は、内容をみると必ずしも子供向けではない初期の作品には、洪水や彗星の襲来など自然災害が描かれているムーミン谷の冬」の作品あたりから、後の作品は、おとぎ話の体裁をとった内容を備えている

ムーミン大学入試センター試験に出題されたことがあった?

2018年のセンター試験ムーミンの関する問題が出題された。問題の内容は、「フィンランドを舞台としたアニメーションはどれか?」という問いに、ムーミン」を正解とする問題が出て、話題を呼んだ大学入試センターは原作者トーベ・ヤンソンの「日本の読書のみなさんへ」と題したメッセージの「フィンランドにあるムーミン谷は、たぶん、あなたが思っているほど、あなたのところから遠くへだたってはいないのです」という一節を根拠として示している出題に使われた絵はトーベの原作ではなくなじみのあるアニメのものであった。

★「ムーミン谷」ってどんなところ?

ムーミン谷は、英語表記ではムーミンバレー(Moomin Valley)ムーミンたちが楽しく暮らす物語の舞台。そこで、色々な生き物が幸せに暮らしていた野原のまん中を川が流れ、ムーミンの屋敷のそばをぐるりとカーブしてから、ほかの小さな生き物たちのいる土地へ、流れていく掲載されている地図を参考にして見てみると、右手には大きくそびえる「おさびし山」、まわりに小高い山、林をはさんで左上には海がある

ムーミン屋敷はどんな建物?

 ムーミン屋敷は、ムーミン一家の住む円柱状の建物ムーミンパパが自分で作った自作の建物だ。原作では、青い色の建物だが、この作品では違った色になっている。1階にはキッチン、客間、バスルームがあり、2階は、寝室とゲストルームがある。3階には、書斎がある。

★主人公のムーミンはカバそれとも他の動物?

 結論から言うと、ムーミンはカバではない原作者のトーベは、ムーミンの正式名をムーミントロールと書いているトロールというのは、古くから北欧に伝わる妖精の一種だが、伝統的な妖精と違って明るいところを好むムーミンコントロールは、トーベが生み出したオリジナルのキャラクターだ。

 アニメのムーミンが、ずんぐりむっくりの体に角ばった顔で描かれ、体の色もブルーやグレーで表現されていたことでカバと誤解されたと思われる。しかし、このことが、多くの人に親しまれて愛されるキャラクターになったとも言える。

★この作品に登場する人物

 ムーミン一家のお父さん。ムーミンが生まれてからはムーミンパパと呼ばれるようになった。トレードマークは、黒いシルクハットとステッキ。読書家で豊富な知識を持っているが夢を身がち。好奇心が強いので、新しく面白い事件に首を突っ込むことで、周りを振り回してしまう。父親として頼りにされることを好んでいる。

ムーミン一家のお母さん。ムーミンムーミンパパだけでなく、訪れてくるお客さんを温かく迎え、親切に迎え親切に対応する。しっかり者で物事に動じることもない。

趣味は、植物を育てること。ムーミン屋敷の前に植えたバラの花を大切に育てている。

トレードマークは、赤と白の紅白の縞々エプロンと、いつも持ち歩いている黒いハンドバック。

  • ノンノン

ムーミンのガールフレンド。スノーク族の女の子。トレードマークは、きれいな前髪と金のネックレス。スノーク族は、ムーミン族と違って、その時の気分、気持ちによって体の色が変化する特徴がある。おしゃれが大好きで、少しわがままだが、賢くて勇気のある女の子だ。原作では、名前がなくスノークのお嬢さんと呼ばれている。

  • ミイ

 リトルミイ(ちびのミイ)と呼ばれることもある。体は小さいけれど、勇敢なミムラ族の女の子。トレードマークは、玉ねぎ型のお団子頭に赤いワンピース。たまに、青に白の水玉などの時もある。口の利き方は悪いが悪意はない。

  • ガオガオ

 小さな羽根のある生き物。「ガオガオ」としか言わないので、名前も「ガオガオ」とつけられた。火を噴いたりする危険な生き物だがムーミンとは仲良くしている。竜巻の中から現れたので、竜の子供だと思われている。成長すると竜になると考えられている。

スノークお嬢さんの兄でスノーク族の青年。生真面目な性格だが、融通が利かないところがある。しかし、まじめで厳格な人物なので、ムーミンの住民から信頼されている。

自由に旅することを愛するミイの異父弟。いつも旅しているスナフキンの荷物は、リックサック一つ。古ぼけた帽子にハゲワシの羽根をつけて、着古した服をまとっている。

自由な生き方をしているスナフキンは、ムーミン谷のみんなのあこがれの的となっている。原作では、ハーモニカを吹いているが、初期のアニメや、この作品ではギターを奏でているので、一般的にはスナフキンの楽器はギターと思われている。

  • スニフ

 大きくて先のとがった耳と長い尻尾が特徴でカンガルーのような生き物でムーミンの友達。旅の途中にムーミン谷にやって来た時からムーミン屋敷で暮らし始めた。お宝ものに目がない。

  • ニョロニョロ

 白いスポンジでできた靴下のような長細い形をした生き物。集団でゆらゆらと揺れながら移動する。ニョロニョロは、白い種から生まれる。電気を蓄えていて、近寄るとビリビリすることがある