飛び出す絵本「昆虫物語 みなしごハッチ」Part.9

「昆虫物語 みなしごハッチ」」の面白情報箱②

★原作漫画はあるの?

 みなしごハッチ」は原作漫画のアニメ化という作品ではないアニメ放送番組のために漫画家、吉田竜夫が原作を担当したもので、吉田が創業したアニメ制作会社「タツノコ・プロダクション」が制作を受け持った作品ハッチというネーミングについては、諸説あるがフジテレビのチャンネル番号8から採ったという説が有力

★制作者の吉田竜生は、どんな人?

 漫画家として「チャンピオン太」、「少年忍者隊月光」などで人気を博していた。1962年、兄弟たちと漫画工房として「竜の子プロダクション」を設立。その後、1964年からアニメ制作業界に進み、アニメ制作を始めたタツノコプロとして、初めてのヒットは、地球にやってきた宇宙人の子が活躍する「宇宙エースだ。1972年に制作した科学忍者隊ガッチャマン」がタツノコプロの柱になった作品だ。この飛び出す絵本配信の中でも、「科学忍者隊ガッチャマン」は、配信されているので、是非見て欲しい。さらに「昆虫物語みなしごハッチ」「ヤッターマン」「一発貫太くん」「タイムボカーン」などの代表作を送り出した。ガンのため、45歳という若さで亡くなった

★「みなしごハッチ」はなぜ、「みつばちハッチ」と変更したの?

 タツノコプロの公式発表では、みなしごハッチ」から「みつばちハッチ」にしたのは、現在では「みなしご」は伝わりにくく「みつばち」の方がかわいらしい響きだからということである。放送禁止用語なので変えたわけではないようだ。なお、「みなしご」の意味は、死に別れたり、捨てられたりして親のない子のこと。

★この作品に登場する人物

  • ハッチ

この作品の主人公のミツバチミツバチ国の王子という設定正義感は、強いがどこか間が抜けたキャラクター旅を続けることで様々なことを体験し、たくましく成長していく過程を番組で追っていく。また、実の妹アーヤと出会ってからは、孤独感から解放されると共に責任感が増してくる。最後には仲間と共にミツバチ王国を守るため戦う「新みなしごハッチ」ではせっかく会えた母を失い、自らも失脚させられるが、母の遺言に従い実の妹のアーヤを正規の女王にすべく「美しの丘」へ向かう。

  • みつこちゃん

旅の途中で出会った可愛いミツバチの女の子本作品では、蓮の花の中で仲良く二人でおやつを食べている

  • ちょうちょのちょこちゃん

巨大なトカゲが棲む魔の沼で、ハッチの代わりに犠牲になってくれた仲間の蝶々のちょこちゃん

  • かみきりむしのおじさん

旅の途中で病気になったハッチを優しく介護してくれたカミキリムシのおじさん。

  • ママ

この作品には登場していないが、この物語で重要な役割であるハッチの実母ミツバチ王国の女王バチで、ハッチが卵の頃に生き別れになる。心優しく上品なママに会えるシーンは涙を誘う