飛び出す絵本「ウルトラ大行進」Part.9
★「ウルトラ大行進」の面白情報箱②
★この本の発行所は(株)フジテレビジョン。しかし、ウルトラマンをはじめウルトラ・シリーズのほとんどは、TBSで放映されているはず。なぜ、フジテレビ発行になっているのか?
この本の構成は(株)小出信宏社が担当。この小出信宏社の子会社に(株)万創という会社があった。万創は、「ばんそうのとびだすえほん」で有名な会社だが、実はこの会社の前身は、フジテレビの出版部であった。このような関係で、TBSが放映したウルトラ・シリーズをもとにした「ウルトラ大行進」をフジテレビジョンが出版したという貴重な本である。
★この本では、ウルトラマンやウルトラセブンは主役ではないの?
この本の表紙には、ウルトラマンとウルトラセブンが登場している。しかし、この本ではウルトラマンたちが主役ではなく、怪獣たちが主役なのだ。ヒーローの登場は、ウルトラセブンが空を飛んでいる小さな姿だけだ。有名な怪獣から、マイナーな怪獣まで数多くの怪獣が登場している。
★特撮の神様と言われる円谷英二はどんな人?
1901年(明治34年)年、福島県須賀川市生まれ。本名は、圓谷 英一(つむらや えいいち)。
特殊撮影技術の第一人者。独自に作り出した技術で特撮映画界に多大な功績を残したことから、特撮の神様と呼ばれた。ミニチュアを巧みに操る職人たちの技量の高さ、セットの精密さなど特撮技術をふんだんに盛り込み、実感しているような臨場感で描き、見ている人を楽しませたい、驚かせたいという思いで、難しく苦労の多い特撮に取り組んでいた。
繰り返しスタッフたちに「見終わって夢が残るものでなければだめだよ。特撮というのは、見たくても見られない光景や視点を作り出すためにある。巨大な怪獣を出そうが、ミクロの細部の世界に潜入しようが、日頃見られない夢を見せるようにしなきゃだめなんだよ」と説いていた。
戦前には「ハワイ・マレー沖海戦」、戦後には怪獣映画「ゴジラ」という大ヒット作を生み出し、海外でも、その名を知られることになった。人々の娯楽として定着し始めたテレビという新しいメディアに注目。第1回製作作品の「ウルトラQ」が評判となり、日本中に怪獣旋風を巻き起こしました。さらに、怪獣と巨大ヒーローが戦うという斬新なコンセプトを持ち込んで「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」などの大ヒットを記録した。
1970年逝去。享年68歳。
★本作品に登場している怪獣の紹介
P.1、2
- ブラコ星人(宇宙怪人)
登場作品 ウルトラセブン
生れ ブラコ星
身長 2メートル
体重 170キロ
特徴 人間の女性ホルモンを吸収する事で繁殖する「赤い胞子」を主食としているため女性を襲う。地球全土に赤い胞子を繁殖させようと企んでいた。怪力を奮う腕は、普段体内に隠されており、ダンの首を絞めて苦しめた。
- ウインダム(カプセル怪獣)
登場作品 ウルトラセブン
生れ M78星雲メタル星
身長 ミクロ~40メートル
体重 0~2万3000トン
特徴 ウルトラセブンが持つカプセルから出現してセブンに味方する怪獣。金属質の表皮と電子頭脳を有している。額の発光部からビームを撃つ。電子頭脳の頭部に弱点が集中している。
- ビラ星人(宇宙エビ人間)
登場作品 ウルトラセブン
生れ ビラ星(ヴィラ星)
身長 1.8~40メートル
体重 100キロ~1万トン
特徴 赤い色をした巨大な頭部と細長い胴体、節足動物のような脚を した非人間型の体型。多数の宇宙船団で地球に侵攻してきた宇宙人 。特殊な粒子で時間を止める「時間停止光線」を放つ能力を持つ。接近戦でも身体を折り曲げてからの体当たり攻撃をする。
- ゴモラ(古代怪獣)
登場作品 ウルトラマン
生れ ジョンスン島
身長 40メートル
体重 2万トン
特徴 三日月型の巨大な角と鼻の上の角、太く長大な尻尾を持つ恐竜の生き残り。大阪で開催された日本万国博覧会に展示するため、生け捕りされて科学捜査隊のビートル号で輸送中に暴れだし地上に落下してしまった。そのショックで暴れだし大阪城を破壊した。必殺技は角から放つ超振動派。ウルトラマンのスペシウム光線でとどめを刺された。
P.5、6
- トドラ(四次元怪獣)
登場作品 ウルトラQ
生れ 四次元の空
身長 30メートル
体重 2万5000トン
特徴 アザラシに似てキバやヒレを持つ怪獣で、四次元空間に住んでいて、そこに迷い込んだ飛行機や人間に襲いかかる。捕えられた超音速旅客機206便に迫ったが、ジェット噴射によって撃退された。
P.7、8
- バクトン(合成怪獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ 火星・ニューキャナルシティ
身長 40メートル
体重 2万5000トン
特徴 火星のニューキャナルシティに建設された、人工的に食料を作るバクトンセンターが突如怪獣化したもの。目から光線を放つ。口からは炎を吐く。コードで体内にいる敵を締め付ける。第7重水を食料としている。建物が合成物の影響で生きた怪獣に変異する発想が面白い。
P.9、10
- ベル星人(音波怪人)
登場作品 ウルトラセブン
生れ ベル星
身長 60メートル
体重 1万8000トン
特徴 空に疑似空間を作り出し、そこに入り込んだ人間を襲う。鈴の音のような怪音波を発して人間の感覚を狂わせる宇宙人。ウルトラセブンのスパイラル光線で撃ち落され、落ちた沼で抵抗を試みるも敗北し、擬似空間と共に消えていった。
登場作品 ウルトラセブン
生れ M78星雲バッファロー星
身長 ミクロ~40メートル
体重 0~2万トン
特徴 モロボシ・ダンがウルトラセブンに変身できないときに、ウルトラセブンに代わって戦う。大きな角を活かした突進戦法や怪力が得意。500万馬力の怪力が自慢で、口から熱光線を発射する。電気に弱く、寒さについては、強い、弱いそれぞれの記
載があるため不明。
- プロテ星人(宇宙スパイ)
登場作品 ウルトラセブン
身長 1.7~46メートル
体重 100キロ~1万2000トン
特徴 シリウス系第7惑星プロテ星から地球侵略のためにやってきた宇宙人。普段は京南大学の仁羽教授になりすましている。最大の武器は目から出す金縛り光線。他にⅤサインをしてから発射するショック光線、分身や幻覚など多数の超能力を持つ。
- ギエロン星獣(再生怪獣)
登場作品 ウルトラセブン
生れ シャール星座の第7惑星ギエロン星
身長 50メートル
体重 3万5000トン
特徴 再生怪獣と言われるだけのことはあって驚異的な再生能力の持ち主。ミサイルやウルトラ戦士の光線技で粉々にされても一晩で再生してしまう。
口 から吐く放射能ガス「ギエロアッシュ」と両手を近づけて発射するリング光線「ビームコイル」が武器。また、翼と頭部はアイスラッカーを何度も跳ね返すほど頑丈で、体当たりは自分より大きなサイズの隕石を木端微塵に粉砕してしまう程の威力。弱点は頸動脈で、ここを攻撃されると再生できなくなる。セブンに喉笛を切断されて絶命。
- メトロン星人(幻覚宇宙人)
登場作品 ウルトラセブン
生れ メトロン星
身長 2~50メートル
体重 120キロ~1万8000トン
特徴 宇宙の彼方にある紅い星メトロン星から地球に侵入した宇宙人。北川町(架空の街)のとある安アパートを拠点として人間男性に変身し、駅前の自動販売機に毒性のたばこを補充するなどして地球人類の破滅を狙い暗躍した。
アパートに乗り込んできたダン=ウルトラセブンと本来の姿でちゃぶ台を挟んであぐらをかいて、対面し人間社会にすっかり馴染んだ姿を披露する風変わりな怪獣。最後はアイスラッガーによって空中で縦真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発する。
- シャドウ星人(宇宙ゲリラ)
登場作品 ウルトラセブン
生れ シャドウ(シャドー)星
身長 2メートル
体重 70キロ
特徴 この本では、シャドウ星人と紹介されているが、シャドー星人と表記されている場合もある。好戦的な性格の宇宙人で、デスマスクのような顔をしている。 戦闘能力は低いため、用心棒として怪獣ガブラを操る。 命乞いとみせかけて騙し打ちするという卑怯な作戦で奇襲を仕 掛けくることから「宇宙ゲリラ」という異名で恐れられている。
- ブルコング(原始怪獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ ピグロン星系第6惑星
身長 45メートル
体重 1万トン
特徴 UX金属を食料としており、UX金属に触れた者に襲いかかる習性を持つ。UX金属の影響で巨大化しており、ゼロニウム鉱によって元の大きさに戻ることができる。アルマジロのように体を丸めて突撃し口からは炎を吐く。ヘソが弱点。ゼロニウム鉱のミサイルをヘソに浴びて人間サイズまで縮小し、キャプテンウルトラによって遠い星へ逃がされた。
- ガルバン(磁石怪獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ 小惑星R5星
身長 45メートル
体重 2万トン
特徴 歩くと鉄と鉄のふれあう金属音がする。強力な光線銃をいくら浴びてもびくともしない。背びれを立てると全身に強力な磁力を持ち、手は磁石となり鉄製のものは何でも吸い付ける。バンデル星人のアンテナで行動を行う。背びれがやられると力を失
ってしまう。
- バンデル星人(軟体宇宙人)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ バンデル星
身長 2メートル
体重 96キロ
特徴 母星であるバンデル星の太陽が死にかけている為、地球人を皆殺しにして移住しようと企んだ宇宙人。手からは炎や銃、電気鞭を放つ。また怪獣や超兵器を製作したり、地球人の死体を解剖し、地球の言語を習得するなど高い知能と科学力も持つ。
常に集団で行動し、体の黒い個体がリーダー。最後は母星を地球の軌道に乗せようとしたが、キャプテンウル トラによって母星を太陽に激突させられてしまい全滅した。
- バンデラー(怪星獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ バンデル星
身長 40メートル
体重 2万5000トン
特徴 バンデル星人の怪獣型の巨大ロボット。目から光線、口から白い煙を吐き体内はバンデル星人の基地となっており移動要塞とでも言うべきロボット怪獣である。
しかし、キャプテンの光線銃で片目に攻撃を受け、ロボットハックの超ロケット砲で右腕を破壊され、そこからキャプテンが体内に侵入して設置した時限爆弾の爆発で破壊された。
- メタリノーム(金属人間)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ 惑星ガイロス
身長 2メートル
体重 100キロ
特徴 100年前に惑星ガイロスを訪れたオガタ博士の助手ロボット・人造人間メタリノームに宇宙バクテリアが付いて変異したもの。オガタ博士の知能を吸収して惑星ガイロスに文明を築いていた。目から生物の細胞を金属に変える光線を放つ。壁をすり抜けることができる。人間に復讐しようとしたが、キャプテンウルトラのミラクルビームを浴びて大地の裂け目に落ちて絶命した。
- ゴースラー(まぼろし怪獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ ケンタウルス星
身長 50メートル
体重 1万5000トン
特徴 ケンタウルス星に現れた怪獣。透明で普通の人間には姿を見ることができないが、攻撃を浴びると姿を見せる。口から火を吐き翼を使って強風を起こす。
通常時の姿を見ることができる特殊体質のヤマテ隊員を襲いに現れたが、最期はウルトラエネルギーマシンを装備したキャプテンウルトラの光線を浴びて倒された。その後、復活してメタノームが指揮する怪獣軍団の一員として人類に復讐をしようとしたが、シルバスターのビーム砲を浴びて絶命した。
- ジャイアン(コメット怪獣)
登場作品 キャプテンウルトラ
生れ ジャイアン彗星
身長 2~50メートル
体重 70キロ~2万トン
特徴 火星都市ニューパールシティで遊んでいた姉と弟の兄弟が怪獣ジャイアンを発見。二人がジャイアンをシティに連れて行ってパニックになった。ジャイアンは凶暴な怪獣ではないとして、二人の子供は無事保護された。
キャプテンはジャイアンを星に帰そうと説得したが、ジャイアンを発見したシティの市長たちは攻撃してジャイアンを捕らえてしまった。首輪を外して巨大化したが、シュピーゲル号によって首輪を付けられて元の小さな体に戻った。
その後、カプセルでジャイアン彗星へ送り返された。ちなみにドラえもん に登場するジャイアンは子供と仲好しな怪獣ということで名前を付けたようだ。
- ネロンガ(透明怪獣)
登場作品 ウルトラマン
生れ 伊豆・伊和見山
身長 45メートル
体重 4万トン
特徴 かつて江戸時代に出現した記録があり、その時は「村井強衛門(むらいすねえもん)」なる武士に退治されたらしいが、現代まで生き残り、発電所のケーブルから電気エネルギーを吸収するうちに電気を餌にする様になり怪獣化した。角から10万ボルトの電撃を放つ。
普段は透明な身体をしており、見る事が出来ない。 鼻先の角から電気を吸引する時のみ透明化が解け、姿を現してしまう。 ウルトラマンとの激闘の末に角を圧し折られて弱ったところを高々と持ち上げられて叩きつけられ、動きを止めたところにスペシウム光線を受けて爆死する。
- ガボラ(ウラン怪獣)
登場作品 ウルトラマン
生れ 地底
身長 50メートル
体重 2万5000トン
特徴 四足歩行型の地底怪獣。ウラン を常食としていて、食事中に放射線を放出するという甚だ迷惑な怪獣である。口から放射能光線を吐く。ウルトラマンとの戦闘で、首のヒレを引きちぎられた挙句に投げ飛ばされて倒された。
★科学特捜隊とは?
「ウルトラマン」に登場し、正式名称は科学特別捜査隊。警察では手に負えない事件の捜査や他の星からの侵略者からの防衛を任務としている。隊員は、ムラマツ隊長をはじめとした少数精鋭の5名である。
★ウルトラ警備隊とは?
ウルトラ警備隊は、「ウルトラセブン」に登場し地球防衛軍極東基地に属している。当初隊員は6名だった。その後、ウルトラセブンが加わって7名になったのである。任務は、地球戦略を企む宇宙星人と怪獣を相手に地球防衛のための戦闘である。最新の設備と強力な兵器を装備している。