飛び出す絵本「戦前の飛び出す絵本『教育画劇「兎の踊り」コーア・レコード』」Part.2

80年前の飛び出す絵本

教育画劇 「兎の踊り」(コーア・レコード)

80年前の飛び出す絵本、しかもレコードが付属で着いていた。今から見ると飛び出す仕掛けには、特別驚く内容ではないが、80年前の子供たちにとっては、本から絵が飛び出してくるというのは新鮮で、さぞかし驚いて喜んだことだろう。しかも、付属のレコードを聴きながら絵本を見るという当時としては画期的なものだったに違いない。レコードであれば、語りだけでなく当然、音楽も加わるウサギが踊っている場面では、踊りの音楽が流れ臨場感があったに違いがない。どんな音楽が入っていたのか、とても興味深いが付属のレコードが欠損しているので、残念ながら聴くことができない

 この本の値段は、80年前で2円14銭今の価格に換算してみるといくらになるのか。当時の大卒初給が90円。そば一杯が10銭。米10キロが2円50銭などから換算すると当時の1円は、およそ2000円から3000円と思えるので、2円14銭は、今の価格にすると5000円ぐらいではないかと思える。レコード付きの絵本とすれば妥当なところだが、戦前に子供の絵本に5000円出せる家庭は少なかったと思えるので、裕福な家庭のお坊ちゃん、お嬢ちゃんが買ってもらったのだろう。そう考えるとこの本がどのような経緯をたどって私の手元に来たのかを思うと興味深い

<表紙>

<裏表紙>

★『教育画劇「兎の踊り」コーア・レコード』の基本情報

  • 印刷納本/昭和16年(1941年)8月20日
  • 発行/昭和16年(1941年)8月25日
  • 編集兼発行者/堀口徳三郎(東京市芝区三田小山町
  • 印刷所/澁谷銀平(兵庫県川湯郡園田村上坂部松原)
  • 発行所/興亜文化録音株式会社(東京市芝三田小山町
  • 価格/2円14銭(レコード付き)
  • 本サイズ/B5

*付属のレコードは欠落している