飛び出す絵本「仮面ライダー2 無敵のライダーキック」Part.9
★「仮面ライダー2 無敵のライダーキック」の面白情報箱②
★「仮面ライダー」の原作者は、石ノ森(石森)章太郎
毎日放送からゴールデンタイムの子供番組の企画を依頼された東映は、「サイボーク009」で人気を博していた石ノ森に相談した。石ノ森は、昆虫図鑑のなかから見つけたバッタの顔をモデルに仮面ライダーを誕生させた。その後、「仮面ライダー」は、現在までシリーズが続く人気ヒーローに成長した。
★仮面ライダーには原作漫画がない?
仮面ライダーには、原作漫画といわれるものは存在しない。石ノ森章太郎が原作者となっているのは、テレビ版「仮面ライダー」の企画、キャラクター設定やデザインを担当したから原作者と言われている。
テレビ版の放映が始まる前に、「週刊ぼくらマガジン」で仮面ライダーの漫画を連載したが、これは、メディアミックスと表現される宣伝のためであった。
★「仮面ライダー」の正体は?
「仮面ライダー」には、1号ライダーと2号ライダーが存在する。仮面ライダー1号の正体は、城北大学科学研究質で学ぶ学生だった本郷猛だ。
世界征服を狙う悪の組織ショッカーは、知能指数600で運動神経抜群の本郷猛を殺人用改造人間にしようとたくらみ、サイボーク人間に改造するための手術をおこなった。最後に、脳手術で正義の心を取り除こうとしていたところで緑川博士に助けら、脳手術を受けずに済んだ。
サイボークになった本郷猛は、悪の手先になるための脳手術を回避できたため、その能力を使って悪の組織ショッカーと戦うために仮面ライダー1号に変身した。
ショッカーは、世界征服の邪魔になる仮面ライダー1号を倒すために1号ライダー以上のパワーを持った改造人間をつくろうと考え、柔道や空手の得意なカメラマンの一文字隼人を選び手術をほどこし「仮面ライダー2号」が誕生した。ところが2号ライダーは、1号ライダーによって助け出され日本を救うために、自分を改造したショッカーと戦うことを誓った。
仮面ライダー1号と2号は、力おあわせて地球征服をたくらむショッカーと戦い続けることになった。
★「仮面ライダー1号」のエネルギーはエコだった
初代仮面ライダーのエネルギーは、風力を利用する設定だった。仮面ライダーは、バッタの能力を持ったヒーロー。そのヒーローが自然破壊のエネルギーを利用しているのでは、子供の夢を壊すということで、バイクに乗っているときにベルトに風力を受けてそのエネルギーで変身するという設定になっていた。
ただし、2号では、ライダー役の佐々木剛がバイクの免許を持っていなかったので、変身ポーズをとることで変身できる設定に変更になった。
★「仮面ライダー2号」誕生の秘話
テレビ番組の第9,10話の撮影中に仮面ライダー1号で本郷猛役の藤岡弘がバイクで転倒し足を骨折するというアクシデントが起きてしまった。主役の藤岡弘が出演できなくなったため、当初のストーリーを変更して対応することになった。しかし、回復が長引き、すぐに復帰ができそうにため新しいヒーローが必要となり「仮面ライダー2号」の一文字隼人を登場させることになった。
ここで一つのドラマがあったらしい。始まったばかりの番組だったので、主役の本郷猛役の藤岡弘がケガで復帰までに時間がかかるのであれば、主役の本郷猛を2号役の佐々木剛に変更する話が起きた。しかし、「仮面ライダー」の生みの一人だった東映の平山亨プロデューサーは「一度は画面から離れても、不死鳥のように蘇ってこなかったら、仮面ライダーに夢を託した子どもたちを裏切ることになる」として治療している間、ショッカーの別行動隊を追って海外に旅したということにして、復帰を待った。
★仮面ライダー2号とは何者?
仮面ライダー1号をたおすために、ショッカーが目につけたのが柔道六段で空手も五段の一文字隼人です。一文字隼人は、ロンドン生まれで6ヵ国語を話すことができる国際派。ショッカーは、1号ライダーより強い改造人間をつくるために一文字隼人の改造の計画を立てた。
仮面ライダー1号の前に改造された一文字隼人があらわれる。1号ライダーは、自分とそっくりな姿でショッカーにコントロールされている2号ライダーの頭をキックし、正気を取り戻させた。自分を取り戻した2号ライダーは、自分を改造したショッカーを1号ライダーといっしょになって倒すことを誓った。ここから新しい物語が始まった。
★サイクロン号はどんなメカ?
この本に登場しているサイクロン号(ページ7,8)は、全体のフォルム及びデザインから仮面ライダー1号が乗っていた旧サイクロン号と思われる。ベース車は、スズキT20が用いられていた。
この本には登場しないが、2号ライダーの乗っていたサイクロン号は、本郷猛のオートバイの師であり、オートバイの専門家といわれる立花籐兵衛が改造したサイクロンで新サイクロン号といわれている。ベース車は、スズキ・ハスラー250Ⅲが用いられていた。
★ショッカーは何をたくらんでいる?
世界征服をたくらむ悪の軍団で仮面ライダーの宿敵。野望を実現するために世界各国に支部を持っている組織。高度な科学の力を駆使して人間を怪人に改造して暴れまわらせている。主人公の仮面ライダー1号、2号もショッカーによって改造された犠牲者だ。その仮面ライダーを次々とショッカー怪人が襲いかかる。
黒の戦闘員は、人間の1.5倍の能力を持っていて集団で襲いかかってくる。顔をペイントしているのは、赤戦闘員。黒戦闘員を指揮する立場にある。
★仮面ライダーの得意技
- ライダーキック
仮面ライダーのモチーフはバッタ。その脚力を活かし、敵に向かって高く跳躍し落下の勢いを乗せて強力な飛び蹴りをお見舞いする技である。
仮面ライダーの必殺技は数多くあるが、その中でも特に子供達の心を掴んだのがこの技であり代表格。様々なバリエーションのライダーキックが生み出されている。怪人との戦闘における決め技として用いられる。特撮作品では円谷プロダクションのウルトラマンが用いる「スペシウム光線」と並ぶ、有名な必殺技である。
- ライダー ジャンプ
仮面ライダーは、バッタがモチーフ。「トォーツ!」というかけ声とともに高くジャ
ンプし、空中で宙にキックを決めて怪人を倒していく。青い空をバックに宙返りをしている仮面ライダーの格好よさに魅せられた人は、大勢いたと思う。
- ジェット ジャンプ
ジェット・ジャンプは、テレビ番組の中では登場していないようだ。ジェット・エネルギーで稼働するサイクロン号を用いてのジャンプのことを言っていると思われる。
- ハリケーン ジャンプ
仮面ライダーⅤ3の愛車が「ハリケーン」なので、この愛車でのハイジャンプのことと思われる。テレビ番組の中では登場していない技のようだ。
- たつまき ダイビング
内容不明。テレビ番組の中では登場していない技。
-
スカイカット
内明不明。テレビ番組の中では登場していない技。
- エアポケット
内容不明。テレビ番組の中では登場していない技。
- ライダー大風車 三段キック
敵に飛びけりを食らわせ、その体勢のまま横回転してさらに3回蹴りつける技。
★登場ショッカー怪人
- サボテグロン
ショッカーメキシコ支部から派遣されたサボテンの能力を持つ幹部怪人。
日本を離れた本郷猛(仮面ライダー1号)に代わり、新たに日本の守りを任された一文字隼人(仮面ライダー2号)が初めて対決した改造人間。「魔人サボテグロン」の異名を持つ。
サボテン型の棍棒や手から発する弾丸、全身に生えたトゲを活かした体当たりや殴り蹴りで相手を攻撃する。普通のサボテンと見分けがつかない超強力爆弾(メキシコの花)を使い日本中のダムを破壊し、その混乱に乗じ一気に日本の各都市を占領する作戦を押し進めることを命令されている。身長184㎝、体重72㎏。
- 妖怪ハチ女
ショッカー本部から送られ、蜂をモチーフとした女性怪人でフェンシングの名手。フェンシングの剣先には、麻酔薬や毒薬が仕込まれている。羽を利用して超音波を発し、特殊な眼鏡やイヤリングを着けた人間を操る。緑川ルリ子にはイヤリングを通して本郷猛
を毒殺するよう超音波を送ったことがある。身長157㎝、体重48㎏。
- 怪力トカゲロン
プロサッカー選手が、猛毒と強靭な脚力を持つ毒トカゲを移植されたショッカー怪人。
日本占領が遅れている事態を打開するため、原子力研究所の電磁バーリアを破壊することを期待されたが、傲慢な性格が仇となり、仮面ライダーを攻撃した後も原子力研究所に向かわず勝手に基地に戻ったらしい。
再度、原子力研究所を襲った時には手遅れで、バーリア破壊ボールは電光ライダーキックで蹴り返され、ボールはトカゲロンを直撃して倒された。身長190㎝、体重183㎏という重量で、ズシンズシンと音を立てて歩く。
- クモ男
蜘蛛をモチーフにした改造人間の第1号。武器は伸縮自在の蜘蛛糸で、相手を縛り上げ攻撃する。しなやかなクモ糸は、鋼鉄の強さと絹糸のしなやかさを備えている。また、強力な毒針を持ち、消化液で跡形もなく溶かしてしまう。
脱走した本郷猛を始末するためにショッカーから送り込まれ、裏切り者の緑川博士を毒殺した後、緑川ルリ子を誘拐した。接近戦は苦手で、仮面ライダーとの戦いでライダーキックを浴びて敗れた。身長198㎝、体重96㎏。
- コウモリ男
「人間コウモリ」または「吸血コウモリ男」とも呼ばれる、吸血コウモリの能力を移植して制作されたショッカーの改造人間。人間の首筋に噛みつき、「新種のウイルス」を感染させ、体から発する超音波を使い人間を自在に操る。もしかしたら、いま、世界中で蔓延しているコロナウイルスも、このコウモリ男のせいかもしれないぞ。
コウモリだけあって、天井に逆さでぶら下がることができる。また、翼を羽ばたかせての飛行を得意とし夜間での活動を得意としている。身長205㎝、体重115㎏。
- コブラ男
コブラの能力を移植して製造されたショッカーの改造人間。使命はショッカーの資金確保のため、全世界の金塊を強奪すること。日本全国の金塊が保管されている大蔵省(現:財務省)銀行の金庫を襲撃した。
5m伸びる伸縮自在のコブラ状の右腕を伸ばして相手を締め上げ殺すことができるほか、地中移動で神出鬼没に現れることもできる。
また、耳で生成される「物質」と、それと化合するとあらゆるものを溶かしてしまう腐食性の毒ガスを生成する物質」を牙のなかに備えている。身長220㎝、体重125㎏。
- ハチ男
テレビ番組では、登場していない怪獣。
- ワニ男
ワニをモチーフとしたショッカーの改造人間として企画されていたが、テレビ番組に登場しないままお蔵入りになった幻の怪人。
沼や川などの湿った場所を縄張りとしており、長い尻尾の一振りはトラックを横転させる威力があるとされていた。また、大きな口には鋭く硬い歯がびっしりと生えており、自動車や船ですらも噛み潰してしまう程の強靭な顎を持つと企画されていた。
- サラセニアン
食虫植物キングサラセニアの能力を移植して制作された改造人間。人食いサラセニアンの異名を持つ。遊園地内の花の温室に潜伏し、訪れた人々を改造人間へ変えてしまう。
武器は、体に生えた蔦をムチとして使用する。また、食虫植物の改造人間らしく、人間に体に押し付け、押し付けられた人間を溶かして吸収し捕食してしまう。弱点は、寒さに弱いこと。身長230㎝、体重65㎏。
- カマキリ男
カマキリの改造人間で、鋭いカマの刃先のような手で人でもモノでも真っ二つにしてしまう。また、周囲の風景に溶け込む能力や罠を仕掛けるなどカマキリ特有の能力を持っている。残忍かつ用心深い性格の持ち主で、「残忍カマキリ男」との異名を持つ。身長:175㎝、体重:68㎏。
- サソリ男
ショッカーに所属しサソリをモチーフとした改造人間で幹部。もともとは、本郷猛の親友だったが、本郷にコンプレックスを持っていたため、自らショッカーの改造人間になってしまった。
人喰いサソリを操る。武器は左腕の電磁バサミで、配下の戦闘員との連帯プレーや大量の人喰いサソリにより敵を攪乱する戦法を得意としている。身長1851㎝、体重94㎏。
- カメレオン
カメレオンの能力を移植し制作された改造人間。「死神カメレオン」として登場することが多い。
カメレオンの改造人間だけに保護色を使い、背景に溶けこませ姿を消すことができる。その能力を生かして諜報活動やスパイ、隠密活動を得意としている。また、指先が吸盤状になっており、音も無く壁を垂直によじ登り、高い所に侵入できる。長い舌を使い相手を絞め殺したり、突き刺したりして襲いかかる。身長180㎝、体重89㎏。