飛び出す絵本「仮面ライダー5 たたかえ!われらの戦士」Part.9

★「仮面ライダー5 たたかえ!われらの戦士」の面白情報箱②

★「仮面ライダー」の原作者は、石ノ森(石森)章太郎

毎日放送からゴールデンタイムの子供番組の企画を依頼された東映は、「サイボーク009」で人気を博していた石ノ森に相談した。石ノ森は、昆虫図鑑のなかから見つけたバッタの顔をモデルに仮面ライダーを誕生させた。その後、仮面ライダー」は、現在までシリーズが続く人気ヒーローに成長した。

 1938年(昭和13年)宮城県出身。本名は小野寺 章太郎(おのでら しょうたろう)。出身地の石森町から町の名前を拝借して「石森章太郎」をペンネームに用いた。

 1953年(昭和28年)高校入学後、「漫画少年」への投稿仲間を集めて「東日本漫画研究会」を設立し、肉筆回覧同人誌「墨汁一滴」を創刊した。第一期の会員には、赤塚不二夫長谷邦夫高井研一郎など漫画家として活躍した人がいた。

高校2年生のときに、手塚治虫より仕事を手伝って欲しいと依頼され、下書き原稿を家に送ってもらいペンを入れる仕事を続けた。才能を認めてもらって、1954年(昭和29年)高校2年で、手塚治虫の仲介を得て「漫画少年」新年号にデビュー作「二級天使」というファンタジックな漫画を発表した。

高校卒業と同時に上京。1956年(昭和31年)手塚治虫をはじめ多くの漫画家たちが住んでいたトキワ荘で、作家活動を始めた。

当時のトキワ荘では、手塚治虫をはじめ多くの漫画家が暮らしていた。住人は、「背番号0」の寺田ヒロオ、「怪物くん」の藤子不二雄Ⓐ、「ドラえもん」の藤子・F・不二雄、「天才バカボン」の赤塚不二夫、「オバケのQ太郎」に登場する「ラーメン大好き小池さん」のモデル鈴木伸一、「ファイヤー!」の水野英子赤塚不二夫のアイデアマンの長谷邦夫たちだった。

1971年(昭和46年)「仮面ライダー」のテレビ放送が始まり、変身ブームが巻き起こった。その後、仮面ライダー」は、シリーズが長く続く人気ヒーローとなった。

石ノ森章太郎の業績の一つに、多くの作品を生み出したことがある。生涯に書いた漫画のページ数は12万8千枚で、作品は770作。2008年に「一人の著者により描いた作品数が、世界で最も多い漫画家」というギネス世界記録の認定を受けた。

仮面ライダーには原作漫画がない?

 仮面ライダーには、原作漫画といわれるものは存在しない石ノ森章太郎が原作者となっているのは、テレビ版「仮面ライダー」の企画、キャラクター設定やデザインを担当したから原作者と言われている

 テレビ版の放映が始まる前に、「週刊ぼくらマガジン」で仮面ライダーの漫画を連載したが、これは、メディアミックスと表現されるテレビ番組の宣伝のためであった。

★「仮面ライダー」の正体は?

 仮面ライダー」には、1号ライダーと2号ライダーが存在する。仮面ライダー1号の正体は、城北大学科学研究質で学ぶ学生だった本郷猛だ。

世界征服を狙う悪の組織ショッカーは、知能指数600で運動神経抜群の本郷猛を殺人用改造人間にしようとたくらみ、サイボーク人間に改造するための手術をおこなった。最後に、脳手術で正義の心を取り除こうとしていたところで緑川博士に助けら、脳手術を受けずに済んだ

サイボークになった本郷猛は、悪の手先になるための脳手術を回避できたため、その能力を使って悪の組織ショッカーと戦うために仮面ライダー1号に変身した。

ショッカーは、世界征服の邪魔になる仮面ライダー1号を倒すために1号ライダー以上のパワーを持った改造人間をつくろうと考え、柔道や空手の得意なカメラマンの一文字隼人を選び手術をほどこし「仮面ライダー2号」が誕生した。

ところが2号ライダーは、1号ライダーによって助け出され日本を救うために、自分を改造したショッカーと戦うことを誓った仮面ライダー1号と2号は、力おあわせて地球征服をたくらむショッカーと戦い続けることになった。

★「仮面ライダー1号」のエネルギーはエコだった

初代仮面ライダーのエネルギーは、風力を利用する設定だった仮面ライダーは、バッタの能力を持ったヒーロー。そのヒーローが自然破壊のエネルギーを利用しているのでは、子供の夢を壊すということで、バイクに乗っているときにベルトに風力を受けてそのエネルギーで変身するという設定になっていた。

ただし、2号では、ライダー役の佐々木剛がバイクの免許を持っていなかったので、変身ポーズをとることで変身できる設定に変更になった。

★「仮面ライダー2号」誕生の秘話

テレビ番組の第9,10話の撮影中に仮面ライダー1号で本郷猛役の藤岡弘がバイクで転倒し足を骨折するというアクシデントが起きてしまった主役の藤岡弘が出演できなくなったため、当初のストーリーを変更して対応することになった。しかし、回復が長引き、すぐに復帰ができそうにため新しいヒーローが必要となり「仮面ライダー2号」の一文字隼人を登場させることになった。

ここで一つのドラマがあったらしい。始まったばかりの番組だったので、主役の本郷猛役の藤岡弘がケガで復帰までに時間がかかるのであれば、主役の本郷猛を2号役の佐々木剛に変更する話が起きたしかし、「仮面ライダー」の生みの一人だった東映の平山亨プロデューサーは「一度は画面から離れても、不死鳥のように蘇ってこなかったら、仮面ライダーに夢を託した子どもたちを裏切ることになる」として治療している間、ショッカーの別行動隊を追って海外に旅したということにして、復帰を待った。

仮面ライダー2号とは何者?

 仮面ライダー1号をたおすために、ショッカーが目につけたのが柔道六段で空手も五段の一文字隼人です。一文字隼人は、ロンドン生まれで6ヵ国語を話すことができる国際派ショッカーは、1号ライダーより強い改造人間をつくるために一文字隼人の改造の計画を立てた

 仮面ライダー1号の前に改造された一文字隼人があらわれる1号ライダーは、自分とそっくりな姿でショッカーにコントロールされている2号ライダーの頭をキックし、正気を取り戻させた自分を取り戻した2号ライダーは、自分を改造したショッカーを1号ライダーといっしょになって倒すことを誓った。ここから新しい物語が始まった。

★ショッカーは何をたくらんでいる?

 世界征服をたくらむ悪の軍団で仮面ライダーの宿敵野望を実現するために世界各国に支部を持っている組織高度な科学の力を駆使して人間を怪人に改造して暴れまわらせている主人公の仮面ライダー1号、2号もショッカーによって改造された犠牲者だ。その仮面ライダーを次々とショッカー怪人が襲いかかる

 黒の戦闘員は、人間の1.5倍の能力を持っていて集団で襲いかかってくる顔をペイントしているのは、赤戦闘員。黒戦闘員を指揮する立場にある

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死神博士配下のトド型改造人間。身長195㎝、体重80㎏。口から零下300℃の「冷凍シュート」を吐き出し、あらゆるものを氷づけにしてしまう。この能力を使って人々を襲い「冷凍人間」にする「アイス作戦」の実行を使命とする。「冷凍シュート」のほか、左手の鋭い爪で相手を切り裂く戦法を得意としており、トドキラーが現れると、その辺りに吹雪が発生する。

  • カメストーン

アオウミガメの能力を持ったショッカーの新型改造人間。自身が作り出した“殺人オーロラ”を投影し、それを見た世界中の人間たちの抹殺を目論む。また、人間の姿に擬態することができる。さらに、背中の甲羅を外して投げつける「フライング・シェル」という必殺技で敵を切り裂くこともできる。

  • イソギンチャック

アフリカから、日本にやって来たイソギンチャクの能力を持つ改造人間。身長186㎝、体重81㎏。右手がムチとなっており、これを使って敵を締め上げていく。最大の武器は、頭部から吸引竜巻を発生させ、あらゆるものを吸い込んで食べてしまうこと。また、ショッカーの資金源調達のため、アフリカでダイヤモンド鉱山を発見した中山老人からその在りかを聞き出し、その鉱山を奪い取る事を使命としている。

北海道に現れたカニの改造人間。身長188㎝、体重98㎏。出身地は、北海道室蘭沖の海底。硬い甲羅を持っており、左手のハサミは何でも切り裂き、口からは、何でも溶かす泡を吐く。また、水中爆弾の爆発で人工大津波を起こす「海底地震作戦」の機密保持のため、各地の気象観測所の襲撃及び地震計の破壊を任務とする。

  • プラノドン

死神博士が製作した翼竜プテラノドンの改造人間。人間の耳の鼓膜に発信機を仕込み、頭部の触角からの催眠電波で操ることができる。武器は、口からロケット弾を発射し、羽ばたきで突風を巻き起こすこと。飛行能力もあるので、空中から襲撃することも可能。

  • ギルガラス

ショッカーのカラス型改造人間。身長176㎝、体重69㎏。ショッカー科学陣が開発した人間を狂暴化させ、殺人鬼へと変貌させる毒ガス「デッドマンガス」を使って「人類皆殺し作戦」を使命としている。クチバシから毒ガスを吐き出す能力のほか、普通のカラスに擬態できる能力を持っている。そのほか、薙刀を武器として用いて襲いかかることもできる。

  • ドクガンダー

富士山麓出身の毒蛾型改造人間。幼虫形態と成虫形態が存在する怪人である。身長230㎝、体重:120㎏。口から発火性のある糸を吐き、身体の毛針は武器にもなり、投げつけることで敵を倒すことができる。人間に化けることも可能で、タキシードをまといシルクハットを被った紳士の姿をしたこともある。

  • スノーマン

死神博士がヒマラヤの雪男を改造したショッカー怪人。身長169㎝、体重68㎏。白い毛むくじゃらの姿で強靭な肉体とパワーを誇るが、頭脳の方は、いまいちのよう。雪男というモチーフや見た目に反して冷凍・氷結系の技は持っておらず、マグマを地底から噴出させるというイメージとは真逆の能力を持つ。

死神博士ヒルの特性を備えたヒル型改造人間。身長165㎝、体重60㎏。捕らえた人間の血を左手のヒルのような吸盤で吸い取り、代わりに緑の液体を注入することで、ショッカーの命令を聞く「奴隷人間」へ変えることができる。戦闘においてはムチを振り回して相手の首を締め上げる戦法を用いる。

  • ベアーコンガー

の能力・特性を持つ改造人間。身長170㎝、体重65㎏。右手に生えた3本の鋭い爪と、左手に生えた巨大な鋼鉄の爪を武器とし、全身は、鋼鉄のような硬い皮膚に覆われている。死神博士の指揮の元、草津高原の雪を全て溶かし、大洪水を起こす「スノー作戦」の指揮を任されている。

  • ユニコルノス

死神博士がヨーロッパで発見された伝説のユニコーンに酷似した生物・一角獣ユニコルンの化石から採取した粉末血液と、凶悪な男の血液とを入れ替える方法で誕生させた改造人間。赤い一つ目と大きな一本角が特徴的な姿をしている。身長190㎝、体重93㎏。口から吐く白い霧を浴びせることで、生物を一瞬で化石にすることができる。また、瞬間移動能力も備えている。

モグラの特性を備えた改造人間。身長172㎝、体重76㎏。目は見えないが、伸縮自在360度の視界を地上からキャッチできる「エレクトロ・アイ」を移植しているため、ある程度の視力を持っている。コンビナートの破壊による東京湾火の海作戦遂行のため次々と人々をさらう。右手の剣と左手のシャベルが武器で、これを使って地底を掘り進み、敵の真下から現れて敵を地中に引きずり込む攻撃を得意とする。

  • ザンブロンゾ

ショッカーが古生物学者の志村博士が化石から蘇らせた三葉虫を盗み、吸血する改造人間との血液交換によって怪人化させたもの。出身地はアッシリア地方。身長126㎝、体重27㎏。三葉虫の姿と怪人態を使い分けることができるが、怪人態に戻るには人間の血を吸わせる必要がある。武器は口から出す赤い毒液と、手裏剣になる胸部の鱗である。

  • ハエ男

ハエの特性を備えたハエ型改造人間。身長176㎝、体重65㎏。ショッカーによって、資産家の息子がハエと合成された怪人へ改造され、人間を意のままに操る命令音波のほか、浴びた人間を爆発させる白い泡を口から吐くことができる。

  • ザンジオー

日本アルプスに棲む人喰いサンショウウオの特性を備えた怪人。身長195cm、体重84㎏。全身を泡に包んであらゆる場所に移動する能力を持っている。武器は、口から吐く1万℃の火炎だ。

有毒植物のトリカブトを思わせるような姿をした怪人。身長182㎝、体重67㎏。人間を溶かしてしまう溶解液を吐き出し、右手から伸びるツルを鞭のように振舞って戦う。

  • エジプタス

紀元前1800年の古代エジプトに生息していた怪人。身長180㎝、体重85㎏。古代エジプト王を想起させるような外見をしており、武器は、口から高熱火炎を噴射する。

ミイラ状態から再生させられたいわば再生怪人。ショッカーが自力で産み出した改造人間ではない点が他の怪人とは異なる。

  • ナメクジラ

ナメクジのような軟体が特徴な怪人。身長156㎝、体重54㎏。口から人間の命を奪う液体を噴射する。ナメクジの怪人であるため、体を液状化させドアの隙間から侵入する能力を持つ。人工知能をナメクジラへと移植させ、噴射液はコンクリートさえ溶かすほどにパワーアップする。

  • ゴースター

全身が無機物の溶岩で構成された怪人。身長198㎝、体重232㎏。とにかく重い怪人だ。自身は、溶岩でできているため5000℃の高熱にも耐えられる。桜島一体の火山を噴火させ、九州一帯を焦土と化せる作戦の指揮を担当。武器は、口から吐く高熱の火災弾攻撃。