飛び出す絵本「巨人の星№2」Part.7

★「巨人の星№2」(とびだすえほん)P.9、10の映像と本文

<本文>

いよいよ 巨人軍とカージナルスの 日米親善試合のテープが、きっておとされました。

 巨人軍との試合を、たかが親善試合と かるくみていたカージナルスは、意外にも

ちいさなからだに ファイト満々の星飛雄馬の大リーグボールに 五回の表まで完全におさえられてしまったのです。

0対0――

 だが、ここで カージナルスの秘密兵器 オズマ選手が 登場してきたのです。

 そのオズマ選手の ギラギラと燃える目と見合ったとき 飛雄馬のひたいからながれるほどの汗が 自然に にじみだしてくるのでした。

心配した監督が 飛雄馬に近づき 何かささやいています。テレビ中継のアナウンサーが 緊張した声で 叫びつづけます。

「第一球 第二球とみのがしたオズマ。飛雄馬 かまえて第三球 投げました!

でも どうしたことでしょう、オズマほどの打者が ピッチャーゴロにおわりました」

「大リーグボールのこわさですね。オズマの予期せぬところへ あたるのですから

どうにもなりませんね。オズマも そうとうくやしがっていますね」

解説者も しみじみとした声です。だが、オズマ選手は 不敵に笑い、

「日本野球デ二人ノ野球ロボット同志ノ因縁ノ血闘ガコレカラ始マルノダ!」と

無気味に いいのこすのでした。

大リーグボール一号

 打つ気のない打者のバットめがけ、ボールを命中させて凡打にとるという魔球、

大リーグボールの専売特許の新変化球を日本人投手の星が はじめて発明した。

巨人の星№2」(とびだすえほん)P.9、10の解説

 本を広げると、巨人と大リーグカージナルスとの日米親善試合の球場が現れる。手前右には、巨人のユニフォームで16番の背番号を背負っている星飛雄馬川上哲治監督と思われる二人がオズマ選手を迎えて、対応を話し合っているようだ。その左には、背番号1の王選手の後ろ姿がある。

 バッターボックスにいるオズマ選手は、打ち気満々のようだ。キャッチャは、伴宙太。右のネクストバッターボックスにはバットを抱えてしゃがみこんでいる次打者が控えている。その後ろには、カージナルスの選手たちが控えている。

 左側のダッグアウトでは、巨人の選手たちがグランドを眺めている。後のスタンドでは、日の丸の扇子で応援しているファンが見られる。スタンドは満員だ。スタンドの上には、少年マガジンとフジテレビの広告看板がチャッカリと書かれている。

<登場人物>

  • 星飛雄馬
  • 川上監督
  • 王選手
  • 伴宙太
  • オズマ選手

<登場場所>

  • 後楽園球場(現:東京ドーム)のようだ。

<登場するしかけ>

  ・なし。