飛び出す絵本「超人バロム・1 対決!ドルゲ魔人」Part.9
★「超人バロム・1 対決!ドルゲ魔人」の面白情報箱②
★「怪人バロム・1」の原作者はだれ?
「怪人バロム・1」の原作者は、「ゴルゴ13」、「無用ノ介」、「影狩り」などを発表した「さいとう たかを」だ。本名は齊藤 隆夫(さいとう たかお)。1936年和歌山市生まれ。
母親が理髪店を営みながら女手一つで子供5人を育てていた。さいとうは、中学を卒業した後、実家の理髪店で働きながら、漫画を描き始めた。当時、手塚治虫の「新宝島」を見て衝撃を受け、本格的に漫画に取り組みだした。仕事の合間に書き上げた漫画「空気男爵」を貸本出版社日の丸文庫に持ち込み、デビューしたのち、貸本漫画家として貸本漫画時代に劇画の分野を確立した人物。
1958年(昭和33年)漫画家を目指して上京。貸本劇画を描き始め「台風五郎」はシリーズ化を果たし人気の作品であった。
1963年一般漫画雑誌に進出したのち、劇画「無用ノ介」(週間少年マガジン)を連載。「マガジン」を代表するヒット作となった。特に、1968年(昭和43年)連載を開始した「ゴルゴ13」(ビッグコミック)は、さいとうの代表作としてだけでなく「劇画」の代名詞となる。「ゴルゴ13」は現在も連載中の長寿漫画であり、2021年(令和3年)には「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。同年がんのため逝去。享年84.
★「超人バロム・1」とは?
「超人バロム・1」の原作漫画は、少年雑誌「週刊まんがマガジン」に1970(昭和45)年から連載された。
1970年代、テレビ番組で変身ものの「仮面ライダー」が大変な人気者となっていた。このブームを受けてテレビ向けに原作を大幅に変えて番組製作をおこなった。もっとも大きく変更されたのは、主人公バロム・1の顔である。原作漫画では成人男子の人間の顔をしていたが、テレビ向けにマスク姿に変更された。
★「超人バロム・1」の正体は?
大宇宙では、数千年もの間、戦い続けた善と悪の二つの勢力あった。善と正義を象徴する「コプー」と邪悪を象徴する「ドルゲ」。この二つの勢力が戦いながら地球にやってきた。
正義を象徴するコプーは、ドルゲ魔人と戦う二人の少年「白鳥健太郎」と「木戸猛」に出会い超人バロム・1に合体変身できる能力を与えた。正義のエージェントとして悪のドルゲ魔人たちと戦うことを託されたのだ。
白鳥健太郎と木戸猛の二人がお互いの右手をクロスさせる「バロムクロス」と友情エネルギーが万能武器「ボップ」の変身機能と反応し、超人バロム・1に変身する。
小学校5年生で頭のよい秀才の白鳥健太郎は、頭脳明晰で冷静な少年で、頭脳の役割を担当。通称「チビ」。
もう一人の木戸猛は、ガキ大将で運動神経抜群。力自慢で通称「番長」。パワーの役割を担当。
★超人バロム・1」へ変身するには?
白鳥健太郎と木戸猛の二人の少年の腕をクロスして、「超人バロム・1」に変身するのはシリーズを通して同じだが、テレビ放映を続けるうちに変身の方法が変化していった。
最初は、二人の少年が「健太郎」「猛」とお互いを呼び合って駆け寄り腕をクロスして「超人バロム・1」に変身するものだった。変身するためには、二人の友情エネルギーが300バロム以上なければならない設定となっている。普通の友情が50バロムだということだから300バロムを出すためには、通常の友情の6倍の友情が必要というわけだ。6倍とはどの程度なのかがよくわからないが、友情エネルギーが変身するためのツールというのは、なかなかユニークな設定である。
その後、変身ポーズが二度変わっている。最初の変更は、二人で左手をクロスさせ「エイ!ヤー!バロームクロース!」と右手をクロスさせて変身するものだった。
そして二度目の変身ポーズは、猛が万能武器「ボップ」を空高く放り投げ、健太郎と猛とがジャンプし「ボップ」に吸い寄せられてバロムクロスをすることで「超人バロム・1」に変身する方法に変わった。
番組途中で変身ポーズを変更しなければならなかった理由は、視聴者の子供たちが最初の変身ポーズだった駆け寄って腕をクロスさえるのをまねて、ケガをする子供たちが出たため、安全な変身方法に変えられたようである
★超人バロム・1」の愛車「マッハロッド」はどんな車?
「超人バロム・1」が「マッハローッド!ヴォーップ!」と叫んで万能武器「ボップ」を投げると「ボップ」は、「マッハロッド」に変身して登場する。どんな道でも走れ時速400キロで走ることができる。ジャンプは、もちろんのこと空飛び水中や地中を走行できる、まさに万能カーだ。スピードはマッハ2が出せ、120メートルの垂直上昇能力を持っている。
★「超人バロム・1」の能力は?
「超人バロム・1」は、パンチ技に特徴があるヒーロー。パンチを打つときに、体中のカルシウムが手に集合し、装備された手の威力を倍増できる装置を利用して強力パンチに変えることができる。
体中のカルシウムを集中させて強いパンチやショルダータックルをするというワザとは、どんなメカニズムなのか。強いパンチを打つためには、筋力強化が一番のようである、カルシウムは、骨の強化には効くが、パンチ力強化に効くのか疑問だ。
本人能力以外に万能武器「ボップ」や万能カー「マッハロッド」などを利用して敵を倒すことができる。
★主な能力は?
- バロム爆弾パンチ
ジャンプして回転したところで敵に突進してパンチを決めるワザだ。敵を倒したあと、「バローム」とさけんでポーズをとる。
- 必殺爆弾パンチ
特訓で編み出した「バロム爆弾パンチ」の改良版。空中で敵に打ち込む必殺パンチ。
- バロムダイナミックパンチ
敵のアジトから脱出する際に放ったパンチ。
- バロムチョップ
敵の拘束を破るための強力チップ。
- バロムブレイク
体中のカルシウムを肩の部分に集中させ、敵に突撃して威力の強いショルダータックルを決めるユニークなワザ。
- バロムスイング
敵をつかんで振り回し放り投げる技。決め技ではないが敵の戦力を弱めることができる。
- バロムドリラー
体を回転させてドリルのように地中を掘り進んでいく能力のこと。
- 熱光線
目から光を放ち、敵を爆撃するワザ。
- 強力風力発生能力
手を回したり、全身を回転させたりして強力な風を起こし敵を倒すワザ。
- 透視能力
相手の正体を見破る能力。
- エネルギー爆発発生能力
相手のエネルギーと自分のエネルギーをぶつけることで大爆発を起こし敵を倒すワザ。
★万能武器「ボップ」とは?
「バロム・1」が敵と戦うときに使用する武器。武器能力としては、「敵の
存在を知る発信機能力」、「愛車『マッハロッド』への変身能力」「サーチライト
能力」など。健太郎と猛の二人の「友情バロメータ」を計ことができるほか、
武器として直接、敵に投げつけることもできる。
★「コプー」とは?
「コプー」は、大宇宙の正義と善の象徴。ドルゲを追って地球にやってきたが、長い戦いに疲れ、ドルゲの戦闘員アルトマンと戦う二人の少年、白鳥健太郎と木戸猛に「超人バロム・1」に合体変身する能力を与えた。
★「ドルゲ」とは?
ドルゲは、大宇宙の邪悪を象徴する悪の化身。正義を憎み、愛をのろい、善に対抗し地球に災いをもたらす存在。全宇宙を悪に染める活動を始めている。人間の体をドルゲ細胞で侵し、悪のエージェントであるアントマン、ドルゲ魔人、ドルゲ妖怪を作り出すこともできる。
「ドー・ルー・ゲー」という声とともに姿をあらわす。テレパシー発信機でアントマンやドルゲ魔人に命令を下しバロム・1に攻撃をしかける。
★登場した「ドルゲ魔人」は?
・アンモナイルゲ
アンモナイト菌という猛毒性の病原菌を持ち、人間を原因不明の重病にする魔人。
・ウミウシゲ
角の粘液で敵の動きを止め、左手からの炎で焼き殺す魔人。
ドルゲの最下層の魔人。戦闘能力は低いが地中からとつぜん躍り出て、集団で襲う。
・モグラルゲ
左手のシャベルで地中を掘り、マンションを陥没させてドルゲマンションを作った魔人。
・オコゼルゲ
ドルゲの第1号魔人。海で泳ぐオコゼの醜い姿を魔人化させたのだ。公害毒液を口から吐いて、あらゆる物質を腐らせてしまう。
・タコゲルゲ
破壊力抜群のタコ爆弾でダムを破壊するのが任務。近づく相手は、触手で締め殺す魔人。
・ゲジゲルゲ
全身に猛毒を持つ触手が生えていて触れたものを一瞬のうちに殺すことができる。動きが素早い魔人。
・サソリルゲ
頭と左手のカッターを武器に持つ魔人。全人類をサソリ化する計画を指揮する。
・クチビルゲ
とても息がくさく、口臭で人間を攻撃する。大きな口で人間を飲み込みドロドロのヘドロにしてしまう。キバが弱点で折られると弱くなる魔人。
・ヒャクメルゲ
巨大な眼から発射する光線で人間を操る魔人。人類暗黒化計画をたくらむ。