飛び出す絵本「なんたって18歳」Part.9

★「なんたって18歳!」の面白情報箱②

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★「なんたって18歳!」には、マンガの原作がない?

なんたって18歳!」は、アニメではなく、当時アイドルだった岡崎友紀が主演した実写版テレビドラマ。岡崎友紀が演じた前作「おくさまは18歳」の大ヒットを受けて、人気が高まった岡崎友紀を主演にしたテレビドラマの続編として18歳シリーズが誕生し「なんたって18歳!」が制作された。

 前作の「おくさまは18歳」には、漫画の原作がある。漫画家本村三四子作で集英社週刊マーガレットに1969(昭和44)年8月号~1970(昭和45)年8月号まで連載。テレビでドラマ化されTBS系で1970(昭和45)年9月~1971(昭和46)年9月まで放送された。

しかし、「なんたって18歳!」には、原作となる漫画はない

★この作品に登場する人物

  • 青木まどか

 この作品の主役でテレビ番組では岡崎友紀が演じた。青木財閥の一人娘です。青木家では、18歳になったら結婚しなければないという家訓が存在している。祖母と母親の決めた許婚・竜二と結婚しなくてはならなくなっていた。自由を求めて家を飛び出したまどかは、父親が経営するバス会社「Km観光」バスガイドとして入社した。

社長令嬢ということを隠してまどかは、名前を「青山はるか」に変えて入社した。会社の上司や先輩からは、失敗ばかりで「創立以来、最低最悪のバスガイド」としてドタバタ劇が始まる。ついたあだ名が「最低最悪」

やがて、まどかの逃避行は竜二の知るところとなるが、まどかの意思を汲んだ竜二は秘密を共有することに同意する。思わぬ竜二の一面を知ったまどかの気持ちは、次第に変わっていく。

  • 本田卓丸

バスガイドのまどかの同僚の運転手まどかKm観光に入社してバスガイドになるための研修期間中に、ダンプの運転手だった本田卓丸とバスガイドたちは、口げんかになった。その野性味あふれる本田卓丸が会社に来ているということで大騒ぎとなるが、バス運転手として入社するためにやってきたのだ。まどかKm観光に入社後、バスガイドとして運転手の本田卓丸と組んで、この本のようにペアで観光バスを担当することになった。

  • 皆川竜二

この本(作品)には、登場しないがドラマでは重要な役どころ。まどかの許嫁皆川財団の御曹司。ナヨナヨしていて、まったくたよりなさげな性格だが、まどかひとすじ。どこまでもまどかを探し追いかけ続ける。俳優の浜田光夫が演じている

★「Km観光」は、どんな会社?

Km観光は、青山はるかこと青木まどかの父親が経営する大手バス会社。このバス会社を舞台に女子寮、営業所、バスガイドと運転手の仲間たちが次々と大騒動を起こす。

 バス会社「Km観光」は、東京・品川に存在する実在のバス運営会社「Km自動車」で撮影がおこなわれていた。この会社は、現在でも営業を続けているが今では、バスに関しては営業を取りやめてタクシー会社として事業を続けている。

西郷隆盛銅像

 東京・上野公園に建っている西郷隆盛は、高村光雲の作品。この本に登場する西郷隆盛像は、西郷像の本物にそっくりに描かれている。実物は、身長が3m70cmという大きな銅像だ。本物の像は、下から見たときにバランスよく見えるように頭の部分が大きめに作られているという。

西郷夫人は、この銅像を見て「この銅像は隆盛に似ていない」といったようだが、西郷隆盛が日本人に人気のある原因のひとつが、この銅像が持つ庶民性にあるように思う。

★上野公園

 すみれ幼稚園の園児が遠足に出かけた上野公園は、「上野恩賜公園」が正式な名称。「恩賜」とは、天皇陛下から賜ったものということを意味している。通称は、上野公園と呼ばれている。上野の山ともいわれ江戸時代から桜の名所で動物園、博物館、美術館、科学博物館、音楽ホールなどの文化施設が盛りだくさん存在する。

歴史的な観点で見てみると、江戸時代に三代将軍・家光が鬼門を封じるために上野の山に東叡山寛永寺を建立。東叡山寛永寺は、東の比叡山として琵琶湖にあたるところに不忍池を配置しているそうだ。

戊辰戦争で伽藍が焼失したあとを公園として残し、内国勧業博覧会を開催した。西郷隆盛像もこの上野公園にある

不忍池

 上野公園にある天然の池。池の真ん中には、弁財天をまつる弁天島がある。池の一部が明治時代に競馬場の建設のため埋め立てられ、狭くなった。

不忍池名物のボートの営業は、昭和初期から始まり現在まで続いている。昔は、ボートに乗り込むカップルでにぎわっていたようだ。

上野動物園

上野動物園は、創設120年を越える日本初の動物園で1882(明治15)年に開園。正式名称は「東京都恩賜上野動物園上野動物園は、通称の呼び方。園内は、東園と西園に分かれていて、東西両園をモノレールで結んでいたが、2019年から設備が古くなったため休止している。

 希少なホワイトタイガーをはじめ、120種類、1200頭の動物が飼育されている。年間700万人の人たちが訪れる日本を代表する動物園。

1972(昭和47)年ジャイアントパンダ日中友好の印として上野動物園にやってきた。「ランラン」と「カンカン」は、大人気でパンダブームが起きるきっかけとなった。