飛び出す絵本「魔法使いサリー」Part.9
★「魔法使いサリー」の面白情報箱②
★「魔法使いサリー」の原作まんが
原作である漫画は、1966年(昭和41年)7月号から1967年(昭和42年)10月号まで、集英社の少女漫画雑誌『りぼん』にて連載された。連載当初は『魔法使いサニー』の題名であったが5回連載した後に『魔法使いサリー』と名前を変えた。
これは、アニメ化で話題になり「サニー」の商標権を持っている家電メーカーのソニー(登録商標日本第494012号)から「サニー」の使用許可が下りなかったための変更である。以後、漫画・アニメ共に「魔法使いサリー」の名前で統一し作品を展開している。
アニメ化については、アメリカの人気ドラマ『奥さまは魔女』のヒットがきっかけとなった、日本初の少女向けアニメとなった。
★著者 横山光輝(よこやまみつてる)
1934(昭和9)年生まれ。本名は、横山光照。手塚治虫作の「メトロポリス」に感銘を受け漫画家を志し、高校時代より漫画雑誌「漫画少年」、「探検王」などに投稿するようになる。
高校卒業後、すぐに漫画家にならずに神戸銀行(現:三井住友)に就職。しかし、漫画を描く時間が取れず退職し、映画会社の宣伝部員としてチラシを描く合間、貸本漫画を描くようになる。
貸本漫画として描いた「魔剣烈剣」の人気で漫画家に転身した。手塚治虫にも高い評価を受け、「鉄腕アトム」のアシスタントを務めたこともある。また、手塚治虫原作で「黄金都市」「ターザンの洞窟」「海流発電」「仮面の冒険」なども描いた。
代表作は「鉄人28号」、「伊賀の影丸」、「仮面の忍者 赤影」、「魔法使いサリー」、「コメットさん」、「三国志」など大ヒット作が多くある。
★この本に登場する人物
●サリー
サリーは、魔法の国アストレア生れたプリンセス。気取ったところがなく、何にでも興味を持ち、誰とも仲良くなれる。性格は、お茶目でおてんば。人間界には、女王になるための修行でやってきている。人間界では、夢野サリーと呼ばれ小学5年生の少女。クラスは、5年3組。
弟分のサブと妹のようなポロンいっしょに住んでいる。魔法を使って、事件を解決していくが、魔法使いであることは秘密。魔法使いであることがばれると人間界にいれないのだ。
サリーは次のような魔法を使っている。
・スピカタクト
スピカは、おとめ座の女神。スピカから授かった魔法のタクトが、スピカタルト。
魔法の呪文をとなえてタクトを振ると、タクトから光が出て、願いが叶う。
元々は、ママのものだったけど、人間界に出かける時に特別に譲ってもらった。
・魔法のほうき
魔法のほうきにまたがれば、どこへでも飛んでいける。空中回転も思いのまま飛べるのだ。
・呪文
大きな魔法をかける時には、魔法の呪文「マハリクマハリタ・ヤンバラヤーン!」。
かける魔法によっては、「マハリクマハリタ」だけでもよい。でも、間違った呪文を唱えると滅茶苦茶な魔法にかかってしまう。
・サリーの指先
指先から光を出して、木を生やして花を咲かすこともできる。
- カブ(カブこぞう)
サリーの弟分。人間界ではサリーの弟ということになっている。国王たちの家来で魔法も使える。国王の前ではカラスのような姿に変身することが多い。
- サリーのパパ
魔法の国の威厳のある国王(帝王)。しかしサリーに対しては、親ばかで甘やかしている。2本角の髪型でカイゼル髭を生やし、常に黒ずくめの服装に黒のマント姿。妻に一喝されるとあっさり折れる恐妻家の一面もある。
- サリーのママ
魔法の国の王妃。やさしく控えめな良妻賢母タイプだが、実はパパの頭をしっかり押さえている。いつもロングドレス姿で、編み物をしている姿で登場する。原作漫画では名前はシーマ。
- よし子ちゃん(花村 よし子)
サリーの同級生の友達。男勝りで姐御肌な性格。髪型は三つ編み。あだ名は「よっちゃん」。
- すみれちゃん(春日野 すみれ)
サリーの友達。よし子とは正反対のおとなしい女の子。勉強がよくできる。父親は医師。
- 先生=山部先生(山部 アキラ)
サリーたちのクラス(希望ヶ丘小学校5年3組)の担任でハンサムな男の先生。
- 小悪魔たち
死神といたずら好きな小悪魔。
- 花村 トン吉、花村 チン平、花村 カン太
この本には、登場しないが、人気者。よし子の三つ子の弟。よし子と同じ顔つきをしている。
- おばば
この作品には出演してこないが、物語の上では重要な人物。サリーの家庭教師兼ボデーガードの役。